「上がりそうなファンドや銘柄」を探す…個人投資家が知っておくべき“やってはいけない”主な3つの〈投資の落とし穴〉
「失敗する投資」について知ることは重要です。どんな行動をすると失敗してしまうのか知っておけば、成功する確率を高めることができるでしょう。本稿では、香港で産業調査に従事し、英国でMBAを取得後、20年以上にわたり株式分析やファンド運用に携わる⾼⾐紗彩氏の著書『ポートフォリオ・マネジメントで一生お金に困らない人になる!』(すばる舎)から、失敗する投資行動のうちの3つを一部抜粋・編集してお届けします。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
チャートを読んで投資する
チャートは、テクニカル分析という過去の株価の値動きをもとに将来の株価の値動きを予測するトレーディングの手法で使います。トレーダーは売買タイミングでサヤを抜く(売値と買値の差で儲ける)仕事なので、タイミングが命です。 投資とは、形を変えてそのものの価値を高める行為です。「サヤを抜く」ことではありません。従って、トレーディングは投資ではありません。 投資する会社の事業に自分のお金を使ってもらって、その会社が上げた収益の一部を出資金へのリターンとして分配(配当金)を得ること、そのビジネスの結果、市場で高まった会社の価値をキャピタルゲイン(株価の上昇分)として享受することが投資です。 そのため投資には、会社の収益性や成長性、安全性、それらに影響を与える経済的環境が今後どうなっていくかといった、チャートではわからない定性的な企業の情報分析、そして、それらに対して今の株価が妥当かどうかの分析が必要なのです。 あなたが本当の意味で「投資」をしたい、資産形成をしたいと思うなら、トレーディングからは距離を置くことを私はオススメします。
上がりそうなものを購入しておく
「上がりそうなファンドや銘柄」を探すということは、リターンを基準に選んでいることになります。リスクが管理できていないので、想定外の損失をこうむる可能性が高い投資をすることになります。 また、「これから上がりそう」なファンドや銘柄を選んでつくったポートフォリオでは、すべてが同じ動きをしてしまいます。負の相関の組み合わせにはなっていません。 負の相関にある組み合わせにするには、今後上がりそうなファンド(銘柄)と、今後下りそうなファンド(銘柄)の両方を選ぶことになります。リターンだけに惹かれて、リスクのチェックをおろそかにしていないか確認したうえで、投資を行うことが大切です。
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