「彼のような選手に出会うことはないだろう」ユニホームを脱いだ長谷部誠にクラブ首脳から敬意と賛辞! 現地メディアも「クラブのアイデンティティーの絶対的な柱」
2002年に藤枝東高から浦和レッズに入団した長谷部は、中盤の底に君臨してJリーグやAFCチャンピオンズリーグなどのタイトル獲得に貢献した後、2008年1月にドイツに渡り、ヴォルフスブルクでは加入2シーズン目にリーグ優勝。怪我や2部降格の憂き目に遭ったニュルンベルクでのプレーを経て、2014年よりフランクフルトの一員となり、以降は中盤の底、もしくは最終ラインで安定したプレーを披露してきた。 ブンデスリーガでの最終成績は384試合出場に到達。ロベルト・レバンドフスキ(現バルセロナ)に並んで外国人選手の出場記録で歴代2位となった(1位は490試合のクラウディオ・ピサーロ)。当然ながら、アジア人としては歴代1位であり、データ分析会社『Opta』も、改めてこの偉大な数字を伝えるSNSを「サヨナラ」の文字で締めている。 こうした偉大な実績を残した日本人選手の最後については、ドイツの多くのメディアが注目し、『BILD』紙は「長谷部とロデがチームメイト、コーチ、スタッフが作った列の中を通り、ファンに背を向けてスタジアムを去る際、クラブは欧州カップ戦出場決定に対して以上に、この去り行く2人のレジェンドに盛大な拍手を贈った」と伝えた。 フランクフルトの地元紙『Frankfurter Allgemeine Zuitung』は、「ピッチでの涙、スタンドでの歓声。全てが終わり、4年連続での欧州カップ戦出場権獲得の任務が完了した時、長谷部は膝をついた。ライプツィヒと引き分けた後、彼は父親に寄り添うためにピッチに駆け込んだ2人の幼い子どもたちを腕に抱き、抑えきれずに泣いた」と綴っている。 『Frankfurter Rundschau』紙も、「絵に描いたような2つのキャリアが終わりを迎え、偉大な選手であり、また人間である彼らが、サッカーの舞台に別れを告げようとしている。彼らは、非の打ちどころのないスポーツマン、申し分のない人格者だ。最後に数分間プレーする機会を得て、熱狂的に祝福され、スタジアムで鳥肌が立つ瞬間を作り出した。そしてその後、観客も、選手自身も、涙を流した。さようなら、セップル、ハセ」と、2人のレジェンドのラストマッチを振り返った。 フランクフルトのクラブ専門サイト『SGE4EVER.de』は、「クラブのアイデンティティーの絶対的な柱である2人に対しては感謝と敬意しかない」として、長谷部に対しては「2014年に加入し、2年後にはチームメイトとともにアイントラハトを降格から救った。その後も日本人選手はフランクフルトへの忠誠心を保ち、選手としてクラブの隆盛を直接経験した」と、このクラブでのキャリアを改めて紹介した。 そして『Suddeutsche Zeitung』は、マルコ・ロイス(ドルトムント)、クリスティアン・シュトライヒ監督(フライブルク)らとともに「ブンデスリーガからの別れ」を告げる選手として長谷部とロデを取り上げ、「このヘッセンの功労者である2人は、盛大に送り出された。5万7500人の観客は、スタジアムのビデオスクリーンに2人のキャリアのハイライト動画が再生される中、見事な雰囲気を作り上げた」と、その感動的な最後のひとときの様子を報じている。 構成●THE DIGEST編集部
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