室外機の前に植物を置いてもいい? 緑の建築家に聞く、植物と家のお悩みQ&A 10
自宅で緑と共に暮らすには、どのように付き合っていけばいいのか。初心者が悩みがちなポイントを、緑のプロジェクトを多数手がける建築家・古谷俊一さんに質問。 分かりやすい回答は、植物と楽しく暮らすヒントになるはず! 「エル・デコ」2024年8月号より
Q : べランダで植物を育てたい!けれど、土による排水溝の汚れが心配……対策は? A : 土や落ち葉などで排水溝はどうしても汚れるので、ゴミが溜まらないようにこまめな掃除が必要。排水溝カバーを設置して、その近くに花や季節ごとに実や花を咲かせる植物を置く。すると、毎日植物を見るのが楽しみになり、ついでに排水溝も確認する習慣ができるのではないでしょうか。
Q : 台風やゲリラ豪雨から植物を守るには? A : 台風やゲリラ豪雨が来る前に、できるだけ室内に入れられるものは室内に入れて、難しい場合は植物をあらかじめ倒しておきましょう。そのため、住宅を設計する際や、植物を購入する時に植物が避難できるスペースを確保できるか、考える必要がありますね。網をつたって育つヘチマやゴーヤなどは、軒下に網をフックで取り外しできるようにしておいて、台風が来る前に軒下から網を外して避難させるというアイデアもあります。
Q : 花も緑も好きですが虫が苦手です。いい方法はありますか? A : 最近は虫が発生しにくい土不要のハイドロカルチャーという育て方もあり、それも一つの方法です。しかし植物に虫は付き物。植物をチェックして、少しでも虫がいたらすぐに駆除することがいちばんの方法ですね。虫は空気が淀む場所に発生しやすいので通気にも注意しましょう。
Q : デザイン性のある植栽、どうやってオーダーするといいですか? A : 植物もトレンドがあるので、こだわるのであれば職人さんに相談しながら、植物は自分でアンテナを張って好きなものを購入するのがいいかもしれません。例えばシルバーリーフと呼ばれるオーストラリア系の植物は、くすんだ緑で洗練されたイメージを演出してくれます。メンテナンスの面で、近くに頼める造園屋さんがいると心強いですね。
Q : 室外機の前に植物を置いてもいいですか? A : 人間がずっと風に当たっているとしんどいのと同じように、植物もずっと風に当たることが苦手。だから室外機の前に植物を置くことはNGです。設計の段階で室外機を置くためのサービスバルコニーを設けたり、室外機を壁の中に組み込んでしまえるようにしたり、植物の空間と室外機の場所を分けて考えるプランが良いでしょう。