「旧車會女子」のツーリングに密着。“族車”が世代を超えたコミュニケーションツールに
旧車會女子とレディースの違い
私はレディース暴走族を数えきれないほど取材してきましたが、令和になった今、こんな光景が見れるとは夢にも思いませんでした。 もちろん、当時とは違って全員が免許を持っており、「交通ルールを厳守して走る」という条件で集まっているので、基本的にはハーレーに乗るおじさんたちのチームと何ら変わらない状況だとは思います。 私が知っている時代のレディース暴走族のイメージと、令和の旧車女子たちの大きな違いは、ほとんどの単車がギャル仕様(キラキラ系の派手なペイントやドレスアップ)で、今どきのカワイイ的なデザインが多く、硬派なイメージの「族車」とは異なります。 ファッションも同様です。旧車會女子の皆さんは、いわゆる特攻服とは正反対に、それぞれが女子力の強いファッションを楽しんでいる様子でした。 ご両親の影響で旧車に興味を持ち、旧車乗りになった10代の子から「昔レディースやってたんです」というお姉様系旧車女子まで、年齢層がとても広く、これまたティーンズロードをやっていた頃には想像できなかったことですね。 親子や友達とのリアルなコミュニケーションがどんどん薄れていく時代に、「族車」を共通アイテムに繋がり、みんなで楽しむというのは、暴走行為などしなければ、とても面白い現象なのかなと。 言うまでもなく、社会的には難しい部分があることは承知ですが、私個人としては、他人に迷惑をかけない範囲で、交通ルールを守りながら楽しんでいただければと思っています。 (追伸:このツーリングの最大の目的であるゴール地点でのBBQでは、年齢関係なく、皆さんで盛り上がって、大量のお肉を秒で平らげ親睦を深めていました) <取材・文/倉科典仁(大洋図書)> ―[ヤンキーの流儀 ~知られざる「女性暴走族」の世界~]― 【倉科典仁(大洋図書)】 伝説のレディース暴走族雑誌『ティーンズロード』をはじめ、改造車だけを扱うクルマ雑誌『VIP club』や特攻服カタログ『BAMBO』、渋谷系ファッション雑誌『MEN’S KNUCKLE』など、数々の不良系雑誌の編集長を務めて社会現象を起こす。現在は、大洋図書発行の実話誌『実話ナックルズ』のYouTubeチャンネル「ナックルズTV」や、ギャル男雑誌『men’s egg』をWebで復活させたYouTubeチャンネル「men’s egg 公式」のプロデューサーとして活躍中。
日刊SPA!