三井住友銀行をメインとする企業が10万社突破、東京・大阪・兵庫で強く
10年間で取引企業の売上高が約20%増
今年3月末時点の東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースから、三井住友銀行をメインとする企業の2023年(1-12月期)と10年前の2013年の売上高と最終利益を分析した。両年の業績が比較可能な企業(売上高約3万社、利益約2万社)を抽出した。 2013年の売上高合計は150兆6,998億円だったが、2023年は168兆7,370億円となり、11.9%増(18兆372億円増)と好調だ。 また、最終利益合計は2013年が3兆2,202億円、2023年が11兆6,151億円で、260.6%増(8兆3,948億円増)と、3.6倍となった。
売上高10億円以上が4社に1社
直近売上高が判明した8万9,805社を対象に分析した。売上高100億円以上は2,946社(構成比3.2%)で、100社に3社が100億円超の企業だった。売上高10億円以上は1万3,546社(同15.0%)で、4社に1社だった。 一方で、売上高1億円未満は4万3,566社(構成比48.5%)で半数近くを占め、三菱UFJ銀行(同49.1%)と同様に、メガバンクをメインバンクと公表し、対外クレジットを高めたい企業も多いようだ。 10万442社の産業別は、サービス業他が2万6,586社(構成比26.4%)でトップ。次いで、建設業の1万7,948社(同17.8%)、卸売業の1万3,647社(同13.5%)、製造業の1万2,180社(同12.1%)が続く。
直近1年で新たに4,468社のメインに
2023年3月末で三井住友銀がメインだった企業のうち、2024年3月末でメインから外れた3,251社を分析した。 まず、廃業や解散・合併、その他の理由で1,941社(構成比59.7%)が対象から外れた。次いで、他行へ変更が1,035社(同31.8%)、倒産が275社(同8.4%)だった。 一方、2024年に三井住友銀行を新たにメインバンクとした企業は4,468社だった。 4,468社の産業別は、最多がサービス業他1,400社(構成比31.3%)。次いで、卸売業524社(同11.7%)、情報通信業503社(同11.2%)、製造業495社(同11.0%)と続く。特に、情報通信業との取引が目立つ。 本社所在地の都道府県別は、東京都が1,849社(構成比41.3%)、大阪府1,028社(同23.0%)、兵庫県582社(同13.0%)で、もともと取引社数が多く、シェアの高い都市で新たな取引が生まれていることがわかる。 ◇ ◇ ◇ メイン取引社数で、3メガバンクで唯一、三井住友銀行は増加率が1%を超え、初めて10万社を上回った。 三井住友フィナンシャルグループは、2024年度連結の株主純利益を初の1兆円超えを目標とする。スタートアップ支援にも力を注いでおり、三井住友銀行のメイン企業はさらに増えるだろう。この勢いは、取引企業にも追い風となるだろう。 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2024年9月20日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)