【新戦力インタビュー】オリックス・西川龍馬 確たる自信を胸に「何でもできる。それが個人としても、チームとしても強みになる」
振り込む量が物語る変わることのない土台
西川龍馬
環境が変わったからこそ真価が問われる。そんなことは承知のうえだ。広島からFA加入したバットマンは、新天地でのキャンプも振り込む日々。その理由は、移籍の決断に通ずることでもある。リーグ4連覇の力になるために、はっきりと口にする確たる自信──。巧みなバットコントロールで“天才”と称される男の決意に迫る。 取材・構成=鶴田成秀 写真=湯浅芳昭 移籍の決め手は「リーグが変わってもやってきたことが通用するのか」の思いから。だからこそ、移籍1年目に大きな意識の変化はない。例年どおり振り込む春。全体練習後に室内で黙々とバットを振る姿こそ、不変の意識と挑戦を物語る。 ──すっかりチームになじんでいる様子がうかがえますが、オリックスの雰囲気は入団前のイメージどおりですか。 西川 イメージどおりと言えば、イメージどおり。カープと似ているところもあると思って見ていたので。若い子たちともカベがなく、上と下(先輩・後輩)がつながっているけど、やるときはやる。メリハリがついているなと感じています。でも僕自身は全部が初めてのことで、分からないことだらけ。ルーキーのときのキャンプも何も分からず、こんな感じやったな、と思い出していますね。 ──新鮮なキャンプ、と。 西川 ホントに新鮮ですね。練習メニューの流れも全然違うし、メニューに対してシフトチェンジするのは難しい部分です。昨年までと違うので、ホントに新鮮だなと感じることばかりですよ。 ──どこか環境の変化を楽しんでいるようにも聞こえます。 西川 楽しいですよ。8年間ずっとカープでやってきて、今年は全然違う環境に挑戦しているので。違う形でシーズンを迎えることができるんじゃないかなって。 ──キャンプまでの準備の面では、何か変えたことはあったのでしょうか。 西川 そこは変えなかったです。例年どおり自主トレをしっかりやって。そもそも、何か明確な意識を持って自主トレをやることはないので。とにかく、しっかりキャンプに入る体をつくることだけ。そこはカープのときと同じ。チームが変わるからと言って、気構えたり、何かを意識することなく“自然体”で。 ──キャンプでは、バットを振り込んでいますが、そこも「カープ時代と変わらない」と言っていましたね。 西川 毎年、キャンプでは振る量を多くこなしてきたので、そこも変えないようにしよう、と思っていましたから。 ──オリックスのキャンプの特徴として、個別練習の時間が多くあります。 西川 その時間でしっかり振っていこう、と思っているんです。キャンプで意識しているのは『振る量だけは落とさないように』ということだけなので。 ──数多く振り込む中で確認している部分は、どこになるのでしょう。 西川 外で打つと打球の質も分かるので、自分の中で感覚が違うなと思えば、室内でもっと振って修正していく。数を振る中で体に覚えさせていく。そうやって確認作業をして修正し、明日はどうやって打つかを考えているんです。数多く振ることで・・・
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週刊ベースボール