衝撃のW杯予選敗退…仲間に託すことしかできなかったフットサル日本代表エース・清水和也の後悔「いまは時間をかけて、この事実を呑み込んでいく」|緊急インタビュー
ワールドカップへの出場権を逃し、日本フットサル界にとって二度目の悪夢が起きてしまった。 【ハイライト映像】日本、まさかの予選敗退でW杯出場逃す 無念さや喪失感が残るが、誰よりももどかしく、後悔の念にかられているのは、清水和也だろう。 エースとしての活躍を期待されながら、AFCフットサルアジアカップ2024の開幕を目前に怪我で帰国することになり、画面越しから仲間が戦う姿を見守った。アジアの連覇とW杯出場をつかみとると信じて。 このまさかの結果を、清水はどう感じ、どう受け止めているのか。 「まだ気持ちがまとまってないですが、それでも大丈夫であればいけます!」と名古屋オーシャンズ経由で了承をもらい、アジアカップ決勝戦の日でもあった4月28日にインタビューを実施。怪我がなければその日、バンコクアリーナのピッチに立っていただろう清水に、オーシャンズフィールドで率直な思いを聞いた。 取材・文=舞野隼大
見えないプレッシャーを残してしまった
──まだ気持ちの整理がついていないなか、リハビリ後に取材を受けていただきありがとうございます。怪我の状態は良くなってきましたか? そうですね。肉離れなんですけど、いまは軽いランニングぐらいはできるようになりました。 ──振り返りたくないかと思いますが、どんな状況で怪我を負ってしまったのでしょうか? オーストラリア代表とのトレーニングマッチで、3点差をつけられたけどチャンスにつなげられそうという状況で、ボールを取りにいこうとした時でした。ピッチとかみ合わせが悪くて、そのまま足が抜けずに(筋肉が)伸びてしまいました。筋肉がぶちぶちぶちって剥がされるような感覚があって、その瞬間から立てず……「終わったな」という感覚が正直ありました。周りのみんなには悟られないように「大丈夫、大丈夫」って装いながら応急処置をしてもらって。その日の夜に病院でMRIを撮ったところ、素人目でもわかるくらいの出血が何箇所も見られて「これは厳しいな」と。ドクターからも、大会期間中の復帰は難しいと告げられて、離脱が決まりました。 ──怪我の状況は、チームにどのようにして伝えましたか? 最初に伝えたのは監督でした。ドクターと話を終えた時には日付が変わって1時を過ぎていましたけど、結果が出るのをずっと待ってくれていました。良くない結果を伝えた時の監督の表情がいまも忘れられないですし、離脱させなければいけない判断をさせてしまったことに関して、すごく申し訳ない気持ちと悔しい気持ちがあります……。 ──選手たちには、どんな言葉をかけましたか? 翌日の朝食会場でみんなの前で、W杯出場が懸かったアジアカップ直前に離脱してしまう申し訳なさと、「日本に帰っても、みんなのことを信じ続ける」という言葉を残させてもらいました。でもいま思うと、なんていうのかな……そういった面でも、見えないプレッシャーを残しちゃったのかなって……。なにか、みんなの気持ちを少しでも楽にさせるような声かけがあったんじゃないかって思います。僕だけでなく、(怪我のため直前にサポートメンバーに回ったフィウーザ)ファビオだったり、離脱した(オリベイラ)アルトゥール、3年間一緒に代表のエンブレムを守ってきた選手の分まで頑張ろうといったなかで、いろんな重圧と戦いながらプレーしていました。タラレバでしかないですけど、チームに残る選択を無理にでも取るべきだったのかなという後悔が強く残っています……。