衝撃のW杯予選敗退…仲間に託すことしかできなかったフットサル日本代表エース・清水和也の後悔「いまは時間をかけて、この事実を呑み込んでいく」|緊急インタビュー
充実した過程も、結果が出せずよくわかっていない自分がいた
──残った選手たちは清水選手のゴールパフォーマンスをして、離れていても一緒に戦っているように見えました。 自分自身、代表歴も長くなってきたことで若い世代の選手たちとキャプテンの間に入ってコミュニケーションをとることを意識していました。今度はみんなが僕のためにやってやるという姿勢を示してくれたように感じましたし、「離れていても自分たちはファミリーなんだな」と、うれしかった気持ちと同じくらい「なんで自分はそこにいられないんだ」という悔しさもありました。つっつー(堤優太)や(石田)健太郎とはよくビデオ通話をして、代表の練習やピッチ外での様子を2人はこと細かく話してくれました。トレーナーやスタッフの方々ともコミュニケーションが取れて、必ずやってくれると思いました。 ──1勝1分1敗となってしまったアジアカップの3試合は、清水選手の目にどう映りましたか? 自分自身はW杯予選を経験したことがないので想像の範囲内でしか言えないですけど、いつもと違うプレッシャーはあったと思います。見えない硬さが出てしまうとは思っていましたけど、第2戦の韓国戦でみんながイキイキとプレーをしている姿や球際への執念を感じましたし、本来の姿を取り戻しつつあるなと見ていました。ただ、第3戦のタジキスタンとの試合は、勝たなければ決勝トーナメントへ進めない状況で同点にされてしまい、大きな動揺があったのかなと感じました。 ──タジキスタン戦の残り数秒はビデオサポートも使いながら時間を1秒でも長くして、少しでも勝ち越す確率を上げようとしていました。 事故的でもなんでもいいから、ゴールにボールが入ってくれと思って見ていました。でも、それまでの時間も何度も相手ゴールを脅かすシーンはありました。みんなもがき苦しみながら点をとりにいっていたのかなと思いますし、調子がいいのに点がとれないという経験もしてきたので、その難しさも理解できるので、複雑な気持ちで見ていました。 ──それでも得点は生まれず、グループステージでの敗退とW杯の出場権を逃してしまうことが決まりました。 試合は「DAZN」で見ていたんですけど、良くも悪くも、タイムアップからすぐに配信は終了したじゃないですか。シーンとなったまま目の前の現実を受け止められない自分がいましたし、隣で見ていた奥さんもすごくショックを受けた顔をしていて、すぐに会話ができず空白の時間がずっと流れていました。それから少し経って、悔しい気持ちが湧いてきましたけど、それ以上に自分自身に対するいら立ちや、なんで怪我をしてしまったのか、なんで離脱してしまったんだっていう不甲斐なさが強かった……。 ピッチに立っていたみんなの精神状態もすごく心配でした。いろいろなプレッシャーと戦いながら、くじけそうになってもピッチ上で頑張るみんなを見て、なんていうのか……「過度なプレッシャーをかけすぎてしまったのかな」とも思いましたし、自分自身も同じ苦痛をみんなとその場で共有できていれば、なにか変わったのかなという後悔しか出てきませんでした。日本フットサル界にとっては2度目の悪夢になってしまい、期待してくださった方々や自分たちの活動を支えてくれた方々、現地に足を運んでくれた方々に対して申し訳ない気持ちしか出てきません。 ──配信はすぐに終わってしまいましたけど、現地から発信された会場の様子を見て、言葉が出てきませんでした……。 ピッチで涙を流していたり、うなだれる選手たちもいましたけど、自分も同じ気持ちでした。応援してくれている人、自分の活動を支えてきてくれた人たちに、ただただ申し訳ないという気持ちで、その時は謝ることしかできないという思いでした。この結果は当然受け入れなければいけないし、フットサル人生を懸けてでも取り返しにいかないというのはありながらも、すぐに立ち直れることではありません……。前回のW杯からここまでで、いいこともあれば辛いこともあって、そのなかでたくさんの人の支えがあって、ここまでの過程を振り返って自分としては、これでもかというぐらい悩んだこともありました。それを含めて、すごく充実した過程を過ごさせてもらったなかで結果が出せなかったことに対して、よくわかっていない自分がいました。もしかしたら、いい準備をしてきたと思っている“だけ”かもしれないですけど、いままでやってきたことに対して後悔はありませんし、次へつなげるためにもよりハードに取り組まきゃいけないといけないと思っています。