研究者もドキドキ? ニホンザルが突然ハグ 餌付けの群れで初確認
福山大の石塚真太郎講師(動物生態学)は、小豆島(香川県)のニホンザルが抱擁(ハグ)する姿を確認した。2017年からサルの集団生活について調査していたところ、21年にハグが始まったという。野生のニホンザルのハグは数例確認されているものの餌付けされている群れでは初めて。 【写真で見る】研究者も「ワクワクした」というニホンザルのハグ姿 石塚さんは小豆島の自然動物園「お猿の国」で暮らすニホンザルの集団生活を調査していたところ、21年5月にハグする様子を見つけた。それから約3カ月間、約70頭の群れの中で追跡できたおとなのメス14頭とオス3頭を計285時間観察。メス5頭がハグを計39回したのを観察した。 サルなどの動物の文化は若年個体から集団全体に普及するとされており、今回も5頭のうち4頭は若年(5~10歳)だった。ハグした直後に相手を毛繕いすることが多く、意思確認の可能性があるという。研究成果をまとめた論文が24年12月に国際学術誌にオンライン掲載された。 石塚さんは「突然、ハグを始めた時は驚き、ワクワクした。今回の観察結果は“小豆島文化”の芽生えである可能性がある」と話す。【関東晋慈】