2020年シニアツアーを制した寺西明に聞いた! プレッシャーに勝つために必要な“3カ条”と“思考法”
2023年のファイナルQTで優勝し、今日(3月28日)から開幕する2024年ツアーにフル参戦の切符を手にした砂川公佑。その砂川は20年シニア賞金王である寺西明の一番弟子。プレッシャーをはねのけるために、師匠が伝えたこととは? 寺西と砂川の掛け合いで、寺西流「勝つためのゴルフ」を紐解いていく!
「憧れるな! 倒しに行け!」師匠からの言葉に背中を押され……
――ファイナルQTは初日からトップを独走していた砂川プロでしたが、3日目は後続の選手が迫る展開となりました。 砂川プロ(以下、砂川) 風向きが変わって強くなって、グリーンを上手くとらえないとボギーになったりするコンディションでした。2位の選手と2ストローク差で最終日を迎えることとなり、その晩、いつものように寺西プロに電話したんです。 寺西プロ(以下、寺西) 砂川のことは彼が高校1年生のときから面倒を見ていて、しょっちゅう電話で話をしますが、今回の最終日を迎えるにあたっては多少のプレッシャーはあるのかなと思い「どうや」って聞いたら「大丈夫です」と冷静でした。それで「他人なんか見んでいい。自分ができることをやり切れ」とだけ伝えました。 砂川 23年はレギュラーツアーに参戦できているにもかかわらず、自分のゴルフができずに失敗しました。ファイナルQTの最低ラインは20位以内ですが、寺西プロの言葉を聞いて、そこを意識しているようではまた同じことの繰り返しだなと。なので、今回は優勝しか考えませんでした。 ーー昨年、自分のゴルフができていなかった理由はどこにあったのですか? 砂川 技術的に焦りがありました。自分は身長があるほうではないですし、飛ぶほうでもありません。でも、ロングアイアンで止めてくる選手を見て、自分もそれができないと勝負にならないのではないかと思ってしまったんです。球を止めるために、少し上から入れてスピンを入れて……というようなことをしてしまって。 寺西 ドロー一辺倒でプロになったのに、初めてレギュラーツアーを1年通して戦うなかで、他の選手(フェードで球を止めてくる選手)を見て、そのプレー(フェードで球を止めること)をマネようとしていた。もちろん技術を磨くことは大切です。ただシーズン中にすべきことなのか? ということなんです。たとえ練習場で打てたとしても、その球を試合で使えなかったら意味がない。理想を追いかけて、現実を見ない。若い選手が陥りがちなミスにハマってしまっているなと。