「400ドルのターミネーター」登場…戦争の版図を変えるAI武器(2)
◆AI軍事「ターニングポイント」 軍事分野の「3次革命」、AIが実際に戦場に登場した。戦争の悲劇が襲ったウクライナ-ロシア戦争、そしてイスラエル-ハマス戦争でだ。 ウクライナ軍が使用する10センチほどの超小型AIドローンをめぐり「戦争を新しくしている」(ロイター、WSJ)という評価が出ている。ロシアの防空網を避けて自ら地形を把握し、100キロ先のロシア軍事施設と製油施設を攻撃しているからだ。あるウクライナのAI専門家はロイターのインタビューで「AI技術をドローンに搭載すれば目標打撃確率が30-50%から80%に高まる」と推定した。 イスラエルは軍指揮、情報把握にAIモデルを有効的に活用している。ハマス隊員が留まりそうな建物を把握する「ゴスペル(The Gospel)」、建物を出入りする人の身元を把握する「ラベンダー(Lavender)」、特定人物が軍事建物でなく自宅に留まるかを把握する「ウェアズダディ(Where’s Daddy)」など、知られているAIモデルだけで3つある。ウクライナのAI企業モルファル(Molfar)は世界各国のソーシャルメディアの掲示文を認識し、敵軍の位置を把握する。 パランティアのジョセフ・リー取締役(国際事業本部韓国事業公共部門代表)はインタビューで「ウクライナ戦争が始まって一種の技術的変曲点を通過することになった」と話した。 ◆AI軍隊、最強国は AIの実力がAI軍事力も決める。防衛産業業界および学界ではAI軍事力も世界最強は米国だと口をそろえる。その後ろを中国、そしてイスラエルが追っている。 米国防高等研究計画局(DARPA)はAI、ロボット工学、自律走行などで研究をリードしてきた。ここにシリコンバレーのAIビッグテックまでが加勢した。OpenAIはすでに国家安全保障のために「DARPAと協力している」とし、米国防総省と緊密な関係を構築していると伝えた。「安全なAI」を明らかにしたアンスルピックまでがパランティア、AWS(アマゾンウェブサービス)と協力し、米国安全保障機関に自社のAIモデル「クロード」を提供している。 中国も迅速に動いている。中国にもDARPAと似た人民解放軍(PLA)研究機関の軍事科学院(AMS)がある。ロイターによると、最近メタのオープンソースAIモデル「Llama(ラマ)」を活用して軍事用AIモデル「ChatBIT」を開発した。特に顔認識AI分野では最高に挙げられる。 イスラエルは軍-大学-防衛産業企業の三角編隊を整えている。2022年にイスラエル国防軍(IDF)はAI戦略を発表し、すべての軍事分野でデジタル転換とデータ活用、AI統合を目標にした。テルアビブ大とテクニオン工科大はまさに武器化できる先端技術を開発する主軸大学だ。有名な防空システム「アイアンドーム」は防衛産業企業ラファエルが開発した。 韓国は米中に比べてビッグテックの数も少なく、軍の動きも遅い。今年4月にはAI科学技術強軍育成のための国防AIセンターが創設された。AI軍需支援システムを構築する作業が始まったばかりだ。