気軽に荷室だけを着せ替え! 女性ドライバーにも活躍の場が広がるトラックの「セパレートボディ」がいま注目されていた
ドライバーの負担が軽減される
トレーラーは、牽引する台車を取り替えるだけでさまざまな荷物を運ぶことができる。コンテナからダンボール箱に入ったさまざまな商品、工場から出荷される原料などの粉末、液体など、じつに幅広く対応できる。しかしトラックの場合、ボディは目的に応じて製作されてシャシーと一体化されるため、冷凍車やダンプ、ミキサー車など専用の目的に応じて製作される場合が多い。平ボディやバンボディのような汎用トラック以外は、専用ボディが与えられるのだ。 【画像】運転しているだけじゃないトラックドライバーの過酷な労働 ところが、大型トラックとトレーラーの中間のようなトラックも存在する。それがセパレートボディだ。これはコンテナトレーラーをシャシーにしたトラックだと想像してほしい。コンテナトレーラーはクレーンやフォークリフトでコンテナをシャシーに載せ、四隅の爪がコンテナを固定することで走行している。 セパレートボディもボディとシャシーの接合はコンテナと同じように四隅の爪で行うのだ。違うのはトレーラーではなくトラック本体であることと、フォークリフトではなくボディにアウトリガー(ジャッキ)を装着して自立することでトラックとの脱着を実現している。 こうすることで、工場や倉庫に到着したらボディだけを置いて移動することも可能だ。荷降ろしのための待ち時間が解消されるだけでなく、荷役作業もなくなるので女性ドライバーでも対応できるなど、肉体的な負担も軽減される。もちろんトレーラーのように中継地点まで運んでボディを降ろし、違うボディを載せて帰ってくることも可能。 従来は長距離輸送を1台で担当していたものが、積み下ろしの作業なしに中継輸送ができるようになるのだ。これによりドライバーの労働時間短縮や帰宅頻度の向上につなげることもできる。 このセパレートボディの特徴は、ボディを載せ替えできるだけでなく、ボディだけのリースも可能なことだ。一定期間、通常とは異なるボディを載せて使い、それが終わったらまた通常どおりの使い方にすることもできるということ。たとえば通常はウイングボディを使っていて、一定の期間だけ保冷車にすることもできる。季節や需要に応じて柔軟に対応することもできるのも強みなのである。 このセパレートボディ、さまざまなボディメーカーでラインアップされており、これからも増えそうだ。既存の低床車でもエアサスなどで高さを調整することで、セパレートボディに改造することが可能だとか。これ以外にもボディを載せ替えられるトラックとして、アームロール(フックロール)というキャブ後部のアームでコンテナを引っ張って載せ降ろしができるタイプのトラックもある。 1台で何役にも使えるし、コンテナを工場に置いておき、端材などのスクラップなどをそこに放り込んで、溜まったらコンテナごと交換するような使われ方も増えているのだ。 これはダンプカーのようにコンテナを傾けて後部から積荷を排出することもできるので、土砂や粉末状など細かい材料ならダンプと同じような使い方もできる。そのほか、いろいろなコンテナが開発されていて、便利に使えるようになっているのだ。
トラック魂編集部