自転車未経験から競輪選手に転身した元Jリーガー北井佑季 “南関の絆”を胸に頂上決戦へ「一年の最後に悔しい思いをぶつけられたら」/KEIRINグランプリ2024
元Jリーガーの自転車未経験の男は、デビューから3年でGI優勝を成し遂げた。その名は北井佑季(34歳・神奈川=119期)。養成所時代から先行のスタイルで売り出し、名実ともに「先行日本一」との呼び声が高いトップレーサーだ。初出場のグランプリを前に今年をふり返り、何を思うのか。また、思うように勝てなくなった後半戦の要因を分析し、来年への意気込みを語った。時折、垣間見えるユニークさ、誠実さ溢れるインタビューをお届けする。(取材・文=アオケイ・八角あすか) ーー今年をふり返って、どんな1年でしたか? 競輪人生が長くない中でも1年という単位で見れば、すごく良い思いができた部分と今までにない悔しかった部分が大きかった1年。嬉しさ、悔しさを数字で表すと? うーん、100ー100。いや、おかしい表現だな(笑)。 ーー具体的に言うと? 高松宮記念杯を優勝して競輪選手になって1つの目標を達成できたという嬉しさと、思い通りにいかないことが多々あったという悔しさですかね。 ーーGI優勝後の戦いぶりは、ご自身どう見ていますか? 脚力が落ちたとかはないと思うし、戦いぶりも変わっていない。変わってないからこそ、勝てていないんじゃないかなと。周りは色々と考えたり成長していく中で、自分の脚力は上がっていないのかもしれない。今の自分の先行という戦い方を変えていかないのであれば、常に脚力をどんどん上げていかないと押し切れない。もっと底力がないと勝てないと思っているので、そういうのが足りないから勝ちが少なくなったと思います。 ーーヨコも結構できますよね。 カマされないのがベストだけど、カマされちゃうのであれば単騎はカマシにこないだろうし、ラインがある選手がカマシに来て出られたとしても、踏みながら番手のところにいく練習はしています。だけど、それありきの走りをしてしまうと、出させてもいい前提の走りになってしまう。それは好きじゃないし、出られてしまったときの最終手段ですね。