いま「50代」の人は要注意!? 年金を“満額”もらえない可能性が? 大学生のときに「国民年金」に加入していないと、年金額はどれだけ差が出る?
日本年金機構から毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」には、自身の年金保険の納付実績や将来年金をいくら受給できるか、という情報が記載されています。 ただ、50代の人のなかには、22歳で就職してからの厚生年金の加入月数は記載されているけど、国民年金の加入月数は0ヶ月になっていた、という人もいます。 国民年金は、日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人であれば、全員が加入し保険料を支払う義務があるはずなのに、大学生のときに支払っていなかったということです。 20歳以降に年金を支払っていない期間があると、老齢基礎年金を満額もらえない可能性があります。本記事では、どう対処すればいいか解説します。 ▼65歳から70歳まで「月8万円」をアルバイトで稼ぐと、年金はどれだけ増える?
大学生のときに国民年金を払っていたか確認しよう
ねんきん定期便をよく見て、老齢基礎年金や老齢厚生年金の見込額がいくらになっているか、きちんと確認しておきましょう。 例えば、現在57歳になる筆者のねんきん定期便には、老齢基礎年金の見込額として76万5000円と記載されています。ただ、本来、2024年度の老齢基礎年金の満額は年額81万6000円なので、5万1000円も少ない記載になっています。国民年金加入期間も0ヶ月でした。 調べてみたところ、1991年3月まで学生は国民年金に任意加入だったことが分かりました。20歳になっても学生であれば現在のように強制加入ではなく、希望者のみが支払えばよいという任意加入の制度だったのです。 筆者の場合、1986年10月の誕生日で20歳になったのですが、まだ大学生だったため1989年4月に就職するまで、国民年金を納めていませんでした。国民年金は20歳から60歳まで40年間(480ヶ月)保険料を納付すると、満額の老齢基礎年金81万6000円を受給できます。 未納がある場合の老齢基礎年金受給額は、81万6000円×納付月数÷480ヶ月 で計算できるため、この式に当てはめてみると、81万6000円×450ヶ月÷480ヶ月=76万5000円となります。筆者は20歳になった1986年10月から、就職する1989年3月までの30ヶ月分が未納だったため、5万1000円も少なくなっていたのです。 昔の30ヶ月の未納分を追納することはもうできませんが、別の方法で年金を増やすことはできないか考えてみましょう。