ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
専用ボディが与えられ、ポロの1.6リッターを搭載した傑作ルポGTI
ルポとup!はVWの底辺を支えるAセグメントのハッチバックだ。 1998年登場のルポはポロよりも全長が190mm、全幅が20mmほど短かった。アメリカ政府が提唱し、100km走るのに3リッターしか燃料を使わない超低燃費カーを最新の技術で実現した「ルポTDI」が当時の話題をさらったが、GTIではそのコンパクトなボディ(ポロよりもさらに100kg強軽い)に3代目ポロGTIの1.6リッター直4DOHC(125馬力)を搭載したのだから、その走りは乗らずして楽しいのがわかる。 ボディも軽量化が図られ、リヤフェンダーは大きなタイヤを収めるために専用品となっており、かなりこだわりが詰まったモデルだった。MTも6速でエンジンのパワーを使い切る楽しさに溢れたモデルだった。 その後継と呼ぶにふさわしいup!は2012年に国内デビュー。コンパクトなボディに大人4人が無理なく乗れる高効率パッケージと軽量化と剛性を高次元で融合したパッケージが魅力だった。そのup!にGTIが登場したのは2018年。600台限定で日本に導入された。 エンジンは通常モデルの1リッター直3エンジンに対して、GTIはそのターボ仕様で116馬力。出力もボディサイズも初代ゴルフとほぼ同じで、当時は初代ゴルフGTIの復活ともてはやされた。 MTはルポ同様に6速MTだが、ルポのように俊敏ではなく、極めて扱いやすいバランスの取れたスポーティカーだったと記憶している。 「高性能で楽しくかつ実用性にも優れる」コンセプトはこれからも不変 現在購入できるGTIはゴルフとポロのみだが、昨年のドイツのIAAモビリティでコンセプトカーとしてVWのEVブランドであるID.のGTIがお披露目された。いよいよGTIにもEV化の波が訪れようとしている。 ただ、初代ゴルフGTIの「高性能かつ走る楽しさに溢れ、実用性にも優れる」というコンセプトは変わらず受け継がれていくに違いない。いつまでもクルマ好きの憧れのモデルだ。
山崎真一