さらば「スイスポ」 英スズキ、エンジン車縮小へ 早ければ年内にも販売終了か
規制対応 ジムニーも終了
スズキは英国向けの製品ラインナップを変更し、イグニスやジムニー、スイフト・スポーツの販売を終了する。2025年から電気自動車(EV)に注力していく方針だ。 【写真】英国でも大人気だった日の丸ホットハッチ【スズキ・スイフト・スポーツ(英国仕様)を写真で見る】 (21枚) 英国では、排気ガスを出さないゼロ・エミッション・ビークル(ZEV)の販売比率が定められている。今年の22%から始まり、2025年には28%、2030年には80%と段階的に上昇する。 これはEVの販売台数を増やすことをメーカーに義務付けるものだ。認められた比率を超えてエンジン車を販売すると、1台あたり1万5000ポンド(約300万円)という多額の罰金を支払うことになる。 スズキはこれを受けて、2025年に量産EVを英国へ投入するなどラインナップのEV化を進めていく。 そして、イグニス、ジムニーLCV(排ガス規制に対応した商用車仕様)、スウェイス、スイフト・スポーツの英国での販売を数か月以内に終了する。 スズキUKの責任者であるデール・ワイアット氏は、次のように語っている。 「これらのモデルの撤退により、EVのためのスペースが確保され、ハイブリッドとEVの販売比率を高めることができるようになる。SUVと新型スイフトを中心にエンジンの時代を終え、2025年後半からはEVの成長期に入る」 スズキUKは、販売終了となるモデルは「ディーラーの在庫が枯渇すれば、2025年初頭よりも早く」ショールームから姿を消す可能性があるとした。 こうしたラインナップ切り替えにより、英国向けのガソリンエンジン車は、スイフト、ビターラ、Sクロス、アクロスのみとなる。 英国自動車製造販売者協会(SMMT)の統計によると、スズキUKの2023年の販売台数は2万6574台で、2022年の1万7378台を大きく上回った。今年の販売は2023年と同程度と予測されている。 スズキはすでに、量産EVコンセプト「eVX」を公開している。Sクロスとビターラのほぼ中間に位置するSUVタイプのモデルで、60kWhのバッテリーを搭載し、航続距離は550kmと謳われている。
チャーリー・マーティン(執筆) 林汰久也(翻訳)