ゴルフにポロにルポにup!に……VWの「GTI」はやっぱり熱いぜ! 時代時代のクルマ好きを歓喜させた歴代モデルとエキサイティングなその中身
5代目ゴルフ以降は直噴2リッター直4ターボを継続して採用!
1991年登場の3代目にもGTI(2リッター直4DOHC)は設定されたが、速さを求めたパフォーマンスモデルは、メルセデス・ベンツやBMWの大排気量車と同等の性能を持つ2.8リッターV型6気筒を搭載するVR6へ譲り、スポーティモデルとしての位置づけとなる。 4代目も3代目同様のラインアップで、GTIは初めてターボ化(1.8リッター5バルブ)され、高性能モデルのR32には3.2リッターV型6気筒(4輪駆動)が組み込まれた(以降はRシリーズとして歴代に設定)。 2003年登場の5代目以降のGTIのエンジンは出力アップこそ果たしているが、2リッター直4ターボとなる。エンジンは直噴化(TSI)され、ATはその後の主流となるツインクラッチ式の6速DSGを初採用。6速MTが正規で設定されたのもこのモデルまでだ(7代目は限定100台で販売)。 2008年デビューの6代目は5代目をキャリーオーバーしながら洗練さに磨きをかけ、2013年発売の7代目は新世代のモジュールプラットフォーム「MQB」を採用し、100㎏の軽量を達成。ホットハッチとしてパフォーマンスを高めている。現行モデルである8代目は本国発表から2年遅れの2021年に日本へと導入。最高出力は245馬力となり、約50年間で2倍強まで性能は高められた。 一方、シロッコGTIは上述した2代目でいったん幕を閉じ(1992年)、その後、2009年に3代目が復活。コンポーネンツは6代目ゴルフと共通で、2リッター直4ターボのGTIも設定されたが、販売は芳しくなく、2014年をもって生産終了している。
じつはパサートにも設定が計画されていたGTI
その他のGTIとしてはゴルフの弟分「ポロ」、末弟の「ルポ」、そのあとを受け継いだ「up!」にもGTIを設定。コンセプトモデルで終わったが、初代のパサートにも企画されていた。ゴルフの車体の肥大化にともない、かつてのゴルフの位置づけとなるハッチバックとして登場したのがポロで、GTIが登場したのは1994年デビューの3代目から。ゴルフよりもひとまわり小さい1.6リッター直4DOHCを搭載し、ATの設定はなく、5速MTのみと操る楽しさを味わえるモデルであった。 4代目ポロGTIはスタンダードモデルから4年遅れた2005年に設定され、4代目のゴルフGTIの1.8リッターターボを搭載。車重はゴルフGTIよりも約200kg軽かったことから、兄貴分を上まわるじゃじゃ馬っぷりを見せた。5代目は前期が兄貴分のゴルフのエンジンを搭載した1.4リッターのツインチャージャーを搭載したが、後期型はパサート用の1.8リッターターボへ置き換えられている。このモデルからAT(DSG)専用となったが、後期型で6速MTが復活している。 現行モデルとなる6代目は2018年に登場。GTIは兄貴分のゴルフと同じ2リッター直4ターボにアップデート。スペックはデチューンされているが、コンパクトなボディと相まってゴルフに匹敵するパフォーマンス(207馬力)を見せる。 4代目、5代目はWRC(世界ラリー選手権)のベース車としても活躍した。