“ゴミ団地“と呼ばれたことも…半数以上が外国人の愛知『保見団地』日本人との共生進み“故郷”に 新たな問題も
■日本が“ふるさと”に…外国人も高齢化
共生に向けた動きが進む「保見団地」だが、新たな課題も生まれている。8月のある日、木村さんたちは1人暮らしの89歳の日本人男性の部屋を訪ねた。名前を呼んでも、扉をたたいても応答がない。3分ほど呼びかけを続け、ようやく無事を確認できた。
保見団地でも2000年からの20年間で、高齢者は2倍以上に増えた。2024年に入って、すでに孤独死が2件あったという。外国人の高齢者も増加し、ポルトガル語やスペイン語を話すことができるヘルパーが活動している。 73歳の神崎エンリッケさんは、およそ30年前にペルーから来日したが、今も日本語はほとんど理解できないという。3年前に脳梗塞を患って半身不随となり、ヘルパーを利用して暮らしている。同居する36歳の娘も統合失調症を患い、ヘルパーの助けが欠かせない。
神崎エンリッケさん: 「言葉が通じることで助かっています。違うデイサービスの訪問介護するヘルパーもいますけど、調味料の使い方とか言葉の壁があるのでやっぱり難しい」 言葉が通じることで、必要なケアを受けられているという神崎さんは「日本で生涯を終えたい」と話す。しかし、言葉が通じる知人が徐々に減り、何かあった時のことを考えると不安になるという。
神崎さん: 「高齢者の友達もいるけど、気付いたら入院している人や、亡くなった人も結構いる。自分ができるところまでは頑張りたい」 保見団地に13年前オープンした「ケアセンターほみ」には、外国語が理解できるヘルパーがいるが、利用者は増える一方だという。
「ケアセンターほみ」の上江洲恵子所長: 「(保見団地での依頼は)口コミが多いですね。『この高齢者が困っている。助けてあげて』とか言って、ヘルパーが訪問して」
移住が始まって30年あまり…夢を抱いて保見団地にやってきた外国人たちに「高齢化」という新たな壁が立ちはだかっている。 2024年8月28日放送