“ゴミ団地“と呼ばれたことも…半数以上が外国人の愛知『保見団地』日本人との共生進み“故郷”に 新たな問題も
愛知県豊田市の「保見(ほみ)団地」は90年代にブラジルなどから多くの日系人が移り住み、今も住民の半数以上を外国人が占めている。過去に相次いだ住民間でのトラブルは減少傾向にあるが、新たな問題が浮上している。 【動画で見る】“ゴミ団地“と呼ばれたことも…半数以上が外国人の愛知『保見団地』日本人との共生進み“故郷”に 新たな問題も
■“愛知のブラジル”保見団地 過去には住民トラブルも
愛知県豊田市の公園で8月10日、夏まつりが開かれた。盆踊りのやぐらや露店などが並び、ケバブなど異国情緒漂うグルメも売られていた。
夏まつりの会場の近くには“愛知のブラジル”とも呼ばれる「保見団地」がある。1970年代に建設された約4000戸のマンモス団地で、2024年5月時点では、団地がある「保見ヶ丘」の人口6564人のうち、6割近くにあたる3793人が外国人だ。
外国人が急増するきっかけとなったのが、1990年6月に施行された入管法の改正だった。日系3世までに単純労働での在留資格を認め、家族とともに日本で暮らせるようになった。
製造業が盛んな東海地方には、ブラジルなどから多くの日系人が職を求めて来日し、保見団地はその象徴となった。 大人は自動車関連企業などで働き、子供たちは日本人と同じ学校に通った。
しかし、言葉や文化の違いなどから日本人の住民とトラブルが絶えず、1999年には一部の外国人と右翼団体などが衝突し、警察が出動する事態となった。 団地の中を歩くと、あちこちに壁の落書きや、階段の踊り場が焼け焦げた跡が残っている。
それでも保見団地に住んで35年になる県営保見自治区の木村友彦区長(71)は、当初に比べ「状況はかなり落ち着いている」という。 木村友彦区長: 「いい人のほうが多いだろうけど、悪い人の方が少ないだろうけども、目立つじゃんね。悪い人の方が目立っちゃうから。そういう風に見ちゃう」 団地の一角には、国籍を越えた人々が笑顔で踊る姿を描いた壁画がある。
落書きされた壁を住民たちが中心となり、アートな壁画に塗り替えていた。
かつては住民間で対立もあった団地の雰囲気は、徐々に変わりつつある。