夫に対して「無駄遣いのしすぎでは?」と思うことが多々あります。夫婦の収入についてどのように考えればよいでしょうか?
夫婦のどちらかが勝手にお金を使ってしまう、夫婦で収入に対する考え方が異なるなど、夫婦間での財政管理や個々の収入の使い道に悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。 本記事では、夫婦それぞれの収入に対する考え方について解説します。お金の管理がうまくいっていない夫婦の特徴や収入の共有に関しても解説しているため、ぜひ参考にしてください。
夫婦それぞれの収入は誰のお金?
夫婦それぞれの収入の管理方法は、個々または共有財産とするなど、生活スタイルによります。 公益財団法人ハイライフ研究所が発表した「現代家族のライフスタイルとストレス」によると、夫と妻それぞれの収入に対する帰属意識は夫婦の収入パターンによって考え方に違いがあります。 夫婦の収入が同等、もしくは妻の収入が夫より多い世帯は、「個々の収入は個々のもの」という考えが多いのが特徴です。また、夫の収入が多い、もしくは妻の収入がない世帯では、「夫の収入は共有、妻の収入は妻のもの」といった考えが多く、妻の考えを尊重する傾向が強いことがわかります。 全体的に、妻のほうが「自分の収入を自分のもの」と考える割合が多いです。毎日の家事に加えて働いているため、妻自身が稼いだお金は自分のものだと考えているのでしょう。
法律上は個人のもの
夫婦それぞれの収入に関しては、さまざまな考え方がありますが、民法第762条の夫婦間における財産の帰属において次のように定められています。 ●特有財産:夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、夫婦の一方が単独で有する財産とする。 ●共有財産:夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。 このことから、法律上では基本的に夫の収入は夫のもの、妻の収入は妻のものということになります。
婚姻費用の分担
法律上では、個々の収入は個々のものであると定められていますが、自分のものだからといって好き勝手に使っていいというわけではありません。 民法760条の婚姻費用の分担では、「夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担する。」と定められており、夫婦が生活を維持するために必要な費用はそれぞれで負担しなければなりません。 婚姻費用には、次のようなものが含まれます。 ・食費 ・衣服費 ・住居費 ・教育費 ・娯楽費 ・交際費 ・医療費 個々で得た収入は個々のものですが、婚姻関係にある限り、夫婦2人の収入から生活費を捻出しなければならないのです。