体重管理のためにも積極的に摂取したい! 食物繊維が豊富な食品 10選
腸が正常に働くために不可欠な食物繊維だけど、そのメリットはおなかを満たすだけではない。食物繊維の多い食品には、心臓病、脳卒中、2型糖尿病、腸がんなど、主要な疾患のリスクを低下させる働きもある。食物繊維の目標摂取量を毎日達成することは、体重管理に役立つだけでなく、寿命を伸ばす助けになるとも! 毎日の食生活を見直して、食物繊維たっぷりの食材を積極的に食べよう。
毎日の食事に、食物繊維は足りてる?
全粒粉パン、果物、野菜、豆類など、日常のさまざまな食品に含まれている食物繊維。でも実は、十分な量を摂取できていない人が多いという。たとえばイギリス人の食物繊維の平均摂取量は、1日あたり女性が17g、男性が20g。これは国の機関である「栄養に関する諮問委員会(SACN)」が推奨する1日あたり30gという数字を、はるかに下回っている。 イギリスの国民保険サービス「NHS」で、ダイエットと健康のコンサルタントを務める外科医サリー・ノートン医師と、世界最大の営利医療機関「HCA(ホスピタル・コーポレーション・オブ・アメリカ)」の傘下にあるロンドンの「ザ・プリンセス・グレース病院」で、シニア・スペシャリスト・ダイエティシャンを務めるネハル・ケシュワラさんに、食物繊維が必要な理由、食物繊維がもつ健康上のメリット、食事でなるべく多くの食物繊維を摂取する方法について、話を聞いてみた。
食物繊維とは?
そもそも食物繊維とは、果物、野菜、豆類、穀物などの植物性食品に含まれる複合糖質を指す言葉。消化酵素によって分解され、ブドウ糖の形で燃料になるそのほかの炭水化物と違い、食物繊維はほとんど消化されない。そんな食物繊維にもさまざまな種類があり、それぞれ特有のキャラクターをもっている。 ・水溶性食物繊維 腸内で水と混ざり合い、溶けてゲル状の物質に変化する水溶性食物繊維は、食物粒子の吸収を緩やかにする働きがある。その働きによって血糖値が安定し、コレステロール値を低く保つことができる。水溶性食物繊維は、オーツ麦、大麦、豆類、えんどう豆、全粒穀物、ナッツ類、シード類、果物、野菜などに含まれている。 ・不溶性食物繊維 ほとんど水に溶けることなく水分を吸収する不溶性食物繊維は、便にかさと水分を与えてくれる。この天然の下剤作用は、便秘の症状を軽減し、腸の健康を改善する効果をもつ。不溶性食物繊維は、全粒小麦、とうもろこし(ポップコーンを含む)、オーツ麦、オートブラン、ナッツ類、果物、野菜(とくに皮の部分)に含まれている。 ・発酵性食物繊維 発酵性(またはプレバイオティクス)食物繊維は、体にいい腸内細菌(善玉菌)のえさとなって発酵し、善玉菌の増殖を促進する。発酵過程で生成される短鎖脂肪酸は、腸の健康や病気と闘うための重要な役割を果たすことが、研究で分かっている。発酵性食物繊維はおもに水溶性だけど、一部の不溶性繊維も同じように機能する。