宅麻伸さんの華麗なる愛車遍歴、初公開! 当時の貴重な写真と共に振り返る。30台以上、乗り継いできたワケとは?
どうしても欲しかったフェアレディ
そんなクルマ好きにとっては夢のような愛車遍歴を重ねてきた宅麻さんだが、その中でもとくに心に残っているクルマが2台あるという。 「1台はポルシェ924のあとに乗っていたダットサン『フェアレディ2000』。実はこれは自分のクルマじゃなくて、知り合いから借りていたんだけど、1年ぐらい乗っていた。運転が楽しいクルマで、見た目もオシャレでね。欲しくて欲しくて、『譲ってほしい』と、何度もお願いしたんだけど、ダメだったね」 ダットサン・フェアレディは後のフェアレディZの源流となるオープンスポーツカーだ。1962年に登場し、宅麻さんが乗っていたフェアレディ2000(SR311)は1967年に追加された。最高速度205km/hを誇る高性能車で、数々のレースでも活躍した。 じつは地元・岡山でもこのS R311に乗っている先輩がいて、ときどき乗らせてもらっていたそうだ。宅麻さんがずっと憧れていたフェアレディだったが、所有することは叶わなかった。 今回撮影のために用意した赤いフェアレディも2.0リッター4気筒にソレックスのツインキャブレターを備えた1969年式のS R311だ。運転席に座った宅麻さんは、「あれ、こんなに小さかったかな」と、記憶の中のフェアレディとの違いに驚きながら、懐かしそうにシフトレバーを操作していた。 「ずっと憧れていたクルマだけど、結局手に入れることはできなかったなぁ」 宅麻さんが忘れられないもう1台のクルマ、そして現在ハマっているカーライフの話は後編で。
【プロフィール】宅麻伸(たくましん)
1956年生まれ、岡山県出身。社会人を経て、俳優天知茂に師事し、天知が主演する『江戸川乱歩の美女シリーズ』に出演し、俳優の道へ。1979年、テレビドラマ『新・七人の刑事』に出演し正式デビュー。『課長島耕作』『法医学教室の事件ファイル』シリーズ、『勇者ヨシヒコと魔王の城』など代表作多数。 文・河西啓介 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・奈良裕也 スタイリング・黒田匡彦 編集・稲垣邦康(GQ)