宅麻伸さんの華麗なる愛車遍歴、初公開! 当時の貴重な写真と共に振り返る。30台以上、乗り継いできたワケとは?
東京でのカーライフは中古のポルシェから
地元・岡山でカーライフを謳歌していた宅麻さんだったが、19歳のときに転機が訪れる。役者を志して上京することになるのだ。東京ではアルバイトで生活費を稼ぎながら役者修行の日々。もちろんクルマを所有する余裕はなかった。 その後、精悍なマスクと演技力により、宅麻さんは着実にチャンスを掴んでいく。1979年、23歳のときTBSドラマ『新・7人の刑事』でデビュー。1981年にはNHK大河ドラマ『おんな太閤記』で石田三成役に抜擢される。人気俳優として歩み始めた宅麻さん、上京して以来、初めてマイカーを購入する。 「中古のポルシェ『924』を買ったんだ。知り合いから勧められてね。数年ぶりの愛車だし、なんといってもポルシェだし、嬉しかったよね。 “それはポルシェじゃない”なんて言われたりもしたけど気にならなかった。マニュアルシフトで一生懸命乗っていたよ」 ポルシェ924は1975年に登場。フロントエンジン、リヤドライブのレイアウト、フラットなボンネットにポップアップライトを備えた本格的スポーツカーだったが、エンジンはアウディ製で、各部にもフォルクスワーゲンやアウディのパーツを流量していたため、「本物のポルシェではない」と揶揄する人もいたのは事実だ。だがその後の「944」や「968」といったモデルの礎となった924は、商業的にもポルシェに大きな成功をもたらした。 宅麻さんの愛車履歴メモを見ると、ここからマセラティ、サーブ、フォード、シボレー、ジャガー、メルセデス、BMW……と、まるで世界の自動車ブランドを制覇するかのような勢いで車名が並ぶのだが、これには理由があった。 「当時、目黒通り沿いにあった自動車屋と仲良くなってね。その店にしょっちゅう行くようになった。そこで気になるクルマを見つけると、そのとき乗っているのを下取りに出して買い替える。そうして1~2年ほどのスパンで乗り換えるパターンができていたんだよ」 ちなみに、宅麻さんの記憶によれば当時、以下のクルマに乗っていたという。これらは車歴のなかだと“ほんの一部”だからすごい。 ・三菱「パジェロ」(初代) ・マセラティ「スパイダーザガート」、「シャマル」 ・サーブ「900カブリオレ」(初代) ・フォード「エクスプローラー」(初代) ・メルセデス・ベンツ「SL500」(4代目) ・BMW「740i」(3代目)、「850i」(初代) ・シボレー「ブレイザー」 このうちパジェロは、同社の「ミニカ」(4代目)の広告に出演した縁で購入したという。 「当時、パジェロは人気があってなかなか買えなかったから、三菱にお願いして融通してもらったんだよね」