玉木雄一郎氏、国民民主の代表質問に立たず エースの浅野哲氏投入に「リスク回避」の声
国民民主党は2日の衆院代表質問で「党の顔」の玉木雄一郎代表ではなく、「若手のエース」の浅野哲青年局長を登壇させた。浅野氏は党看板政策で自民、公明両党と協議を進める「年収103万円の壁」の引き上げに向けて石破茂首相の決意をただした。常連の玉木氏が立たなかったことに不倫問題の影もちらつくが、創業メンバーでもある浅野氏を投入することで「玉木商店」という党イメージの刷新を試みた。 【ひと目でわかる】103万円の壁で注目の「扶養控除」の仕組み 大学年代は要件緩和か 衆院本会議場で浅野氏の名前が呼ばれると、歓声と拍手が湧き起こった。浅野氏は冒頭、能登半島地震に触れつつ、首相に「年収の壁が障壁となってきわめて多くの労働者の労働意欲を阻害し、年収を抑制していることは明白だ。『103万円の壁』は最低賃金の上昇率などを勘案し、178万円に引き上げるべきだ」と迫った。 代表質問は本来、党首や幹事長などの党重鎮が立つのが通例だ。国民民主も玉木氏の独壇場だった。 玉木氏は記者団に浅野氏抜擢の理由について「長らく『玉木党』といわれてきたが、組織として中堅・若手の人材を広く世の中に知ってほしい。次世代を担う人材の育成を計画的に行いたい」と説明した。古川元久代表代行も同日の党会合で「今まで代表に頼りすぎだった」と語った。 もっとも、玉木氏は自身の不倫問題を巡り、党倫理委員会による調査を受けている最中だ。国民民主を支援する労働組合幹部は「リスク回避を図ったのではないか」と勘ぐった。(永原慎吾)