「集団走はできません」箱根駅伝予選会トップ通過の立教大学、就任1年目の高林祐介監督が伝えた「セルフマネジメント」
一人ひとりがよく考えて走ってくれた
高林監督は「後半5kmが勝負だよ」と口酸っぱく選手たちに伝えて送り出した。過去のデータをもとにある程度の目安のペースを出したが、選手たちからは「集団走はできません」という声があがった。そのためペースメーカーを置くことはせず、各自が設定ペースの中で自らをコントロールして走るように、と伝えた。 「結果的に集団走ではないけど、『横を見たら誰かがいる』ぐらいのゆるやかな感じで(目標を)持たせて、その代わりちゃんとラスト5kmで勝負するようなセルフマネジメントをして走りなさいね、という話をして送り出したので。しっかり一人ひとりがよく考えて、ハーフマラソンの距離に向き合えたかなという感じはありますね」 高林監督は自身が駒澤大学4年時にチームが予選会に出場し、このコースを走っており、それ以来となる昭和記念公園だった。「正直5kmのタイムもいまいち(ちゃんと)取れなかったので、あとは身を任せてという感じで結果だけを聞きながら、適宜指示を飛ばしながらという感じでした」。選手たちがしっかり考えて走ってくれた、みんなが頑張った、と選手の走りを評価した。 では、安心して見ていられた? とたずねると、「逆に大丈夫かな? と思いました」という。今回は後半尻上がりに上げて行くというレースプランだったため、前回、前々回のように序盤の通過順位が低くても動揺しないように、とは選手に伝えていた。それが10km通過時点ですでにトップ。「こいつら本当に考えてるのかな? とちょっと思ったんですけど、そこもある程度は言った通りに考えて走ってくれたのかなという感じです」とホッとした表情を見せた。 高林監督は3月までは駒澤大のコーチを務めており、4月から立教大の監督に就任した。就任してまず学生同士も、学生と指導者間でもコミュニケーションを大事にしているチームだなと感じた。就任当初から選手との距離が近く、選手側から構えることなく話しかけてくれたことに「すごく助かりました」という。練習へのアプローチは、従来のスピード重視から高林監督が駒澤大時代に行ってきた距離走など、スタミナをつけていくことを重視するものへと変わった。それが実を結び、結果として表れてきた。 わずか2週間後には初出場の全日本大学駅伝が控える。そして箱根駅伝本戦へ。好結果を残し自信を得た選手たちは、伊勢路でどのような走りを見せてくれるだろうか。
第101回東京箱根間往復大学駅伝競走予選会
10月19日@陸上自衛隊立川駐屯地~立川市街地~国営昭和記念公園の21.0975km 1位 立教大学 10時間52分36秒 2位 専修大学 10時間53分39秒 3位 山梨学院大学 10時間54分06秒 4位 日本体育大学 10時間55分58秒 5位 中央学院大学 10時間56分01秒 6位 中央大学 10時間56分03秒 7位 日本大学 10時間56分53秒 8位 東京国際大学 10時間58分53秒 9位 神奈川大学 10時間59分12秒 10位 順天堂大学 11時間01分25秒
藤井みさ