日本では来春公開! 映画『ウィキッド ふたりの魔女』の見所とちょっと気になるところ(海外)
ジョン・M・チュウ監督の『ウィキッド ふたりの魔女』は、不朽のミュージカル『ウィキッド』を映画化した作品だ。 【全画像をみる】日本では来春公開! 映画『ウィキッド ふたりの魔女』の見所とちょっと気になるところ シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデのそれぞれのパフォーマンスとふたりのケミストリーがこの作品を支えている。 ちょっとやり過ぎに感じる部分もあるけれど、『ウィキッド ふたりの魔女』はその長い上映時間に見合った作品だ。 ※以下、ネタバレが含まれます。 『ウィキッド ふたりの魔女』は贅沢で優しくて、ちょっと長い… けれど、並外れた、没入感のある素晴らしい映画だ。 映画『クレイジー・リッチ!』で知られるジョン・M・チュウが監督を、ブロードウェイとポップミュージックのレジェンド ── シンシア・エリヴォとアリアナ・グランデ ── が主演を務めたこの作品は、不朽のミュージカル『ウィキッド』を映画化したものだ。このミュージカル『ウィキッド』もグレゴリー・マグワイアの同名小説(1995年)をもとにしていて、本作で"西の悪い魔女"はエルファバという悲劇のヒロインに生まれ変わった。 マグワイアの小説が『オズの魔法使い』を再解釈し、ドロシーの家が空から降ってくる何年も前に起こったことを描き、ミュージカル『ウィキッド』がそれを"新しいもの"に変えたとすれば、今回の映画もまた"今までにないもの"を感じさせる。 映画『ウィキッド ふたりの魔女』のあらすじは、舞台ミュージカルの第1幕と同じだ。緑色の肌をもつために疎外されて育った少女エルファバは、その生まれつきの魔法の能力のおかげでシズ大学に入学する。エルファバはそこで未来の"良い魔女"グリンダと同室になり、オズの国で最も弱い立場にある人々を脅かす陰謀を暴く。しかし、そのせいで人々の目には"悪人"として映るようになる。 監督のチュウと、脚本のウィニー・ホルツマンとダナ・フォックスは、超大作映画ならではの比較的自由になる時間とリソースの恩恵を受けている。映画は2部作で、本作は舞台ミュージカルの第1幕にあたる部分のみだ。にもかかわらず、その上映時間が2時間41分と聞けば驚きだし、この物語の核となるエルファバとグリンダの関係がしっかりと描かれていなければ、ミュージカルが肥大化しただけと言った方がいいかもしれない。 しかし、わたしたちが目にするのは遊び心にあふれた軽妙なやりとりと、ミュージカルナンバーが挿入されたじっくりと見せるシーンの数々で、それは変化する2人の関係性を描いている。
Palmer Haasch