桜田ひよりさん「妊娠問題に直面する高校生を救える作品に」。話題のドラマ『あの子の子ども』
ドラマ『あの子の子ども』で、ヒロインの女子高生・川上 福(さち)を演じている桜田ひよりさん。未成年の妊娠という繊細なテーマを扱う本作で、桜田さんが演技にかける思いや、同世代の若者に伝えたいことを伺いました。
大きな反響を呼ぶ『あの子の子ども』
妊娠という現実を前に、悩み、葛藤しながら、自分たちなりの未来を選んでいく高校生カップルの姿を真正面から描くドラマ『あの子の子ども』が大きな反響を呼んでいます。
●高校生カップルがシリアスな現実と向き合う
第47回講談社漫画賞・少女部門(2023年度)を受賞した蒼井まもる氏の同名漫画を原作としてドラマ化した本作で、主人公の川上福(さち)を演じているのが桜田ひよりさん。ごく普通の高校2年生の福が、幼なじみで他校に通う恋人の月島宝(細田佳央太)との避妊に失敗、妊娠したことで、なかったことにはできないシリアスな現実に直面します。 「だれもが触れづらいデリケートなテーマですが、私が今の年齢だからこそ参加できる作品で、私たちにしか伝えられないことがあると思います。そして、正解は1つではなく、さまざまな選択肢があるということを発信できる立場でもあります。不安もありますが、真摯に向き合い、伝えていかなければという使命感に駆られています」
●キャラクター像を丁寧に表現
日常がガラリと変わるほどの大きな出来事に、不安や戸惑いを隠せない福。それでも、福と宝がお互いを大切に思う気持ちは変わらず、ひとつひとつ問題に向き合っていきます。未熟ゆえに純粋でもある福の心の動きを、桜田さんは丁寧に演じています。 「福は些細なことをきちんと見て、感じとり、それをうまくその場の空気と調和させるような、人とは少し違う視点でモノを見られる子だなと思いました。みんなが気づかないような小さな幸せに気づいて、ハッピーな気持ちになれる子でもあります。私も兄がいて、福と育ってきた環境が似ているので、家族といるときと友達といるときでちょっと表情が違う部分などは、すごく共感しながら演じています」 福にとって宝の存在はとても大きく、心の支えとなります。妊娠がわかり混乱する福を受け止め、妊娠についてや、中絶する場合と出産する場合の費用、生まれた子どもの養子縁組、学校を続けられるかなど、さまざまな選択肢を調べ、親との話し合いにも誠意をもって向き合います。そんな宝とともに福の気持ちも変化していき…。 「福と宝、そして2人を取り巻く親や友人、先生などそれぞれの気持ちがどう変化し、ぶつかり合っていくかが見どころだと思います。悩んでもがいて、2人が一緒に道を見つけていく姿を最後まで見守ってほしいです」
●「問題に直面した高校生たちを救えるような作品になれば」
そして、最後に桜田さんと細田さんからこんなメッセージが届きました。 「この作品をとおして、初めて知ること、あらためて知ったことがあると思いますし、若い世代の人たちが妊娠について家族と話し合いをしやすい環境になったらうれしいです。そして、福と宝のような問題に直面した高校生たちに、『こういった道もあるんだよ。無理しなくていいんだよ』ということを示して、彼らを救えるような作品になればと心から思っています」
ESSE編集部