いつもひとりぼっちの女子高生。彼女の陰口を言う同級生が着ぐるみを通して知った素顔とは?温かいストーリーに「友好関係のレールが変わった」の声【作者に聞く】
いつも1人の女子高生と、彼女の陰口を言うクラスメート。ある日、2人は思いがけない場所で出会い、予想外の相手の素顔を知ることに…?学校を舞台にした作品を中心に、pixivに漫画を多く発表している多田れる(@tada_reru)さん。今回は多田さんの作品の中から「着ぐるみ好きな女の子と中身の同級生の話。」をご紹介。多田さんにも漫画を描いたきっかけや、気になる続編についても聞いてみた。 「着ぐるみ好きな女の子と中身の同級生の話。」1 ■ひとりぼっちの女の子と彼女をいじめる同級生が着ぐるみを介して出会う…!? 学校ではいつも1人でいる女子高生の黒木あき。退屈そうだが寂しそうなわけではなく、むしろ堂々としているようにも見える。同級生の西山香は、友達とそんな黒木を不愛想だと陰口を言い、ひとりぼっちなことをバカにしていた。 一方、いつも友達に囲まれている西山だが、実は友達にも知られたくない秘密があった。母親が営む猫カフェの宣伝のため、放課後に猫の着ぐるみを着て駅前でティッシュ配りをしていたのだ。ある日、着ぐるみを着た西山に声をかけてきたのは、学校での退屈そうな様子とは正反対の、目を輝かせる黒木だった…。 ■作品誕生のきっかけは、ハマっていた球団マスコット!? 「不死身な女の子がいじめに苦しむ話。」や「学年一の問題児といじめられっ子が入れ替わっちゃう話。」など、学校生活やいじめというテーマに意外な要素を組み合わせ、結末が予想できないストーリーを生み出す多田さん。今回の作品が誕生したきっかけは何だったのだろうか。 「元々いじめを題材にした漫画をよく描いていたのと、自分が野球の球団マスコットにハマっていたので2つを合体させて作品が完成しました」 学校での立場が全く違う2人の距離はどのように近づいていくのか、読み進めるうちに心が温かくなる本作。ちなみに多田さん自身は学生時代、人に合わせて行動するのは好きではなかったと振り返るが、漫画を描いている今、1つ後悔していることがあるそうだ。 「部活にも入らず自由に生きてきたので、部活動の描写を描こうとすると内容が薄くなってしまい、ちゃんと部活には入っていた方がよかったなと後悔しています…」 作品には「友好関係のレールが変わったな」や、「この世界観…好き…続け…」といったコメントが寄せられているが、気になる続編についてはどのように考えているのか聞いてみた。 「自分も続編が見たいと思っています。気が向いたら取りかかりたいですね」 黒木と西山の関係はどのように変わっていくのだろうか。続編も楽しみにしながら、今後の多田さんの活動に期待したい。 取材・文=松原明子