六甲バター 上期は減収増益で通過 ベビーチーズの価値訴求が課題
六甲バターの斎藤保典取締役常務執行役員営業本部長は、8月20日の戦略説明会で上期(1-6月)業績について「売上は昨年5月末でチョコレート製品の販売が終了したことが主な減収要因となったが、利益は価格改定効果もあって確保できた。金額が前年を超えた一方で、4月からの価格改定の影響で物量は前年を割っており、全体としては厳しい上期だった」など振り返った。 主力のベビーチーズは今後、付加価値の訴求が最大の課題となる。 上期の家庭用チーズは3%増、物量4%減。ベビーチーズは金額7%増、物量2%増で通過した。「メーカーによっては100円を超える価格帯になり、PBと比べると価格優位性の面で厳しい部分もあるが、5月のキャラクターコラボもベビー全体の売上に寄与した」(斎藤本部長)。 一方で、プレミアムや期間限定のベビーは金額・物量とも二ケタ減で、配荷率が課題となった。「春に発売した『日本の名産ベビーチーズ』は流通の評価も高かったが、売場で自社のプレミアムや期間限定ベビーとカニバリがあったかもしれない。このあたりもしっかりと整理しながら取り組む」とした。 黒田浄治執行役員マーケティング本部長は「プレミアムはリピーターが非常に多いが、間口がまだまだ広がっていない。普段レギュラー品を食べている方にも価値を感じていただける部分があるはずだ。まずは通常品との違いを知ってもらい、ラインアップも変えながら取り組んでいく」と方針を示した。 スライスは金額3%増、物量1%減で、徳用タイプが好調だった。スティックは金額4%増、物量1%減で、プロセスチーズの中での売上構成比は低いが、コロナ禍で親が子どもに与える機会などが増え、価格に大きく左右されず好調に推移している。 6Pチーズのうち、デザートタイプは金額1%減、物量4%減。通常のチーズに比べて嗜好性が高く価格改定以降に買い控えがみられる一方、春先に発売したメロンが過去最大の配荷率となるなど好調だった。 上期の非連結業績は、売上高2・7%減の213億円となった。営業利益は主に前年度のチーズの価格改定効果で11億円(前年同期は営業損失1億9000万円)。経常利益は12億円(前年同期は経常損失1億3000万円)。