為替介入への警戒高まる 37年半ぶり1ドル161円台【Bizスクエア】
一時1ドル161円台まで下落し、およそ37年半ぶりの円安水準となった。市場では政府日銀による為替介入への警戒感が高まっている。 【写真を見る】為替介入への警戒高まる 37年半ぶり1ドル161円台【Bizスクエア】 ■37年ぶり1ドル161円台 円安は「危険水域」に 週明け6月24日月曜日。東京外国為替市場は節目の160円に迫る水準で始まった。同じ日、日銀は今月の政策決定会合の追加利上げを巡る議論で「遅きに失することなく実施が必要」と踏み込んだ発言を公表するも、為替市場への影響は限定的だった。 変化があったのは2日後の6月26日水曜日。タカ派で知られるFRBの高官が、インフレが再加速するリスクから「利下げはまだ適切でない」との考えを示し、1ドル160円80銭台まで下落した。 これは、ドル高是正で先進5か国が協調してドル売り介入を実施した「プラザ合意」以降、急激に円安が進んだ1986年12月以来、約37年半ぶりの水準だ。 この日、取材に応じた神田財務官は「足元の動きは急激」との認識を示した上で「行き過ぎた動きに対しては、必要な対応をとっていく」とし、いつでも介入を実施できるとの姿勢を示すも、28日金曜日には、午前10時前に1ドル161円を突破した後、161円20銭台まで円安が進む場面もあった。 歴史的水準を再び更新した円相場、防衛ラインともみられてきた1ドル160円を突破してから、2日でさらに1円と急激に円安が進んだことから、市場では政府日銀が為替介入に踏み切るのではとの警戒感が高まっている。 鈴木俊一財務大臣は「過度な変動というものは望ましくない。過度な変動に対しては、適切な対応をとっていきたい」と話した。しかし、財務大臣のけん制発言は材料視されず、午後も161円を挟む攻防が続いた。市場はFRBの利下げ時期がさらに遅れ、日米の金利差が当面縮まらないとの見方が広がり、より高い金利で資金を運用しようとする動きが続いている。 ■37年ぶり1ドル161円台 政府日銀による為替介入の可能性を探る ――今週は前に介入したときの水準をあっさりと破って、ついに161円台。その割に財務大臣も財務官も今までと同じようなトーンでしか話していないが、なぜ介入しないのか。