為替介入への警戒高まる 37年半ぶり1ドル161円台【Bizスクエア】
――長いグラフを見ると、37年半ぶりということで、160円ぐらいで壁があったように見えるが、ここから先になると「プラザ合意」の時まで事実上、壁がない。 バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏: チャートだけの話だが、例えばドル円の200円。これに経済合理性は全くないと思うが、テーマが経済的な要因から政治的な要因に仮に変わったとすれば、要するに200円だってあるかもしれないと思いだすと、相場としてはやはり危険な感じがする。 ――さきほど通貨安政策といっていたが、誰も通貨安政策を取ってるとはいっていないが、少なくとも投機筋から見れば、日本は通貨安を容認する国ではないかと思われているという意味か。 バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏: その通りだ。当たり前だが、日銀は別に通貨を決める立場にない。財務省。だけど今の市場はどう思っているかというと、緩和的な金融政策を進めると、その結果として円安になったとしても、それは容認するというぐらいのイメージ。だから積極的ではないが、消極的に、結果的に見ると通貨安を選択して、容認しているというのが今の投機筋のシナリオだと思う。 ――これまでは、何かきっかけがあれば元に戻るかもしれないし、ついこの間までは「アメリカが少し金利を下げれば、1ドル130円ぐらいに戻る」とみんな言っていた。でももう、そういう次元ではなくなってきて、今130円に戻るよと言ったら笑われる。 バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏: そういう意味でいうと、マーケットの雰囲気が変わってきたという感じはある。なので、非常に危険な状況になりつつあるし、日銀の金融政策の正常化が思ったほど進まないし、改善しようという気合いが見えないというのは相当大きな問題だ。 ――今までは「日米の足元の金利差を見た相場」という解説が多かったが、そうではなく、まさに相場観、為替の水準を訂正するような動きになっているということか。
バルタリサーチ 為替ストラテジスト 花生浩介氏: 要は日本は通貨安を容認しているという海外投機筋のシナリオで円安が進んでいる。仮に円安を止めたいのであれば、このシナリオを否定しなくてはいけない。そのためには色々なところからメッセージがあると思うが「異次元の金融緩和」はもうやめて、金融正常化を淡々と進めるというロードマップを示さないと、7月利上げがあるかどうかわからないが、単発の利上げだけでは、もう止められない可能性が出てきた。 (BS-TBS『Bizスクエア』 6月29日放送より)
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