「前受け不合格→一念発起で追い上げ」は都市伝説!?1万人追跡調査で判明したお試し受験の真実
● 前受け受験のメリットは3つ 「練習・自信・分析」の機会になる 前受け受験のメリットとデメリットを大きく3つに分けて説明します。 ●メリット (1)模試とは違う緊張感の中で、本命校の練習ができる 「僕は緊張する性格ではないから平気だよ」「うちの子はピアノの演奏会などで本番環境に身を置くことを鍛えているから大丈夫」というケースもありますが、そういう子でも本番ではガチガチに緊張して本領を発揮できなかったということはよくある話。「前受け受験」の学校は、第一志望として考えている受験生もいるため、公開模試とは全く違ったピリピリした感覚を味わえるのが大きなメリットです。 (2)合格証をもらえることで弾みがつき、自信を持って本命校の受験ができる また、「合格証をもらって油断するかもしれない」という心配がありますが、中学入試は全員が初めて経験することなので、入試直前は必ず「不安」と闘うことになります。そのため、合格校が一つでもあると、安心材料になるというメリットのほうが大きいと思います。 もし、合格した学校より本命校の難易度のほうが高い場合は、子どもたちも冷静に判断してくれます。 (3)合否にかかわらず、得意分野と不得意分野を分析する機会となる 前受け校の入試問題は、一部の学校を除き、模擬試験に近い出題傾向となります。なぜなら、記述形式の出題を中心にしたり、難度の高い問題ばかりを並べたりして特徴を出してしまうと、幅広い受験生を集めにくくなるからです。 前受け校は、地理的に都市の中心部から離れた立地にある学校が多く、また入試時期が早いため、一定の受験者数を確保できるように敢えて出題傾向をスタンダードなものにしているというわけです。 また、鶏が先か卵が先かの議論にもなりますが、多くの受験生を集めるが故に、採点しやすい出題となる傾向もあります。 1月に模試を行わない塾が多いため、冬期講習から1月にかけての学習の進捗を冷静に測る材料や、得意分野と不得意分野を分析するための材料として前受け受験を活用するのもおすすめです。