PARCELで「Not Quite」開催。「~でなくもない」作家が集結
東京・馬喰町のギャラリー・PERCELでグループ展「「Not Quite」が開催される。会期は5月18日~6月30日。 タイトルにある「Not Quite」は「~でなくもない」を意味する言葉。本展では、⾒慣れている視点からはみ出ている作品を中⼼に作家が選ばれ、居心地の良いカテゴリーを⾶び出してしまっている「~でなくもない」作品や審美眼を通し、デザインとアートのいびつかつ奇妙な相関関係を提示するとともに、「形」を楽しむ機会を提供するという。 参加するのはイ・カンホ 、橋本知成、太⽥琢⼈、⽮⼝周太郎の4名。 イ・カンホは韓国の弘益⼤学校で⾦属⼯芸とデザインを学んだ後、ソウルを拠点に活動。⾝の回りにある素材から、様々な⽇⽤品をつくっていた農業家の祖⽗の影響を受け、幼少期から⾃らの⼿で⾝近な素材をもとに新たなものをつくり出すことに楽しみを⾒出してきたという。その体験をもとに、⽇常のものに新たな意味と機能を与える⼿法で⽇々制作を続けている。最近は、素材が別の素材と結びつく瞬間を発⾒することをテーマに次々と新作を発表。 信楽を拠点に活動する橋本は、陶土を素材に使用しながらも、金属や鉱物のような光を湛えたテクスチャを持つ作品を生み出している。2019年にはロエベ・クラフト・プライズのファイナリストに選ばれ、23年には和歌山県立近代美術館で個展「なつやすみの美術館 13 feat. 橋本知成」を開催するなど、活躍が目覚ましいアーティストだ。 デザイナーの太⽥琢⼈は、⽇常の観察を通して作品を発表。⽣活を通しての取捨選択や物事の認知、社会システムなどをテーマにしており、インテリアプロダクトからインスタレーションまで、その活動領域は幅広い。 ⽮⼝周太郎は、80年代以降のポストモダンデザインを筆頭に、前衛的で挑発的な造形美のものを中⼼に、様々な年代やジャンルのアイテムをセレクトするショップ「YOU ARE WELCOME」を2018年にスタート。⽮⼝によるオリジナルの什器も展開している。雑誌やCDケット、広告やミュージックビデオの美術/プロップスタイリングも⼿がけ、アートやプロダクトのデザインも⾏うマルチな存在だ。 それぞれユニークな活動を行う4人がPERCELでどのような化学反応を見せるのか、期待したい。