栄養の専門家に聞く、植物性たんぱく質を摂取するベストな方法
※この記事は、海外のサイト『delish』で掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。 ミートレス・マンデー(健康や地球環境のため毎週月曜日に肉を食べない運動)に参加したり、プラントベースの食事を毎日食べている人は、たんぱく質に関するジレンマを抱えていることが多い。ヴィーガンの食生活に対する批判としてよく言われるのが、一日に必要なたんぱく質を摂取するのが難しいというもの。肉の摂取はたんぱく質を摂取する一番効率的な方法ではあるけれど、専門家いわくヴィーガンはたんぱく質不足になりやすいという話はほぼ迷信だそう。 研究によると、アメリカの成人の大半は必要量の2倍のたんぱく質を摂取しており、ほとんどのヴィーガンは動物性食品に頼ることなくたんぱく質のニーズを簡単に満たすことができるという。ただし、肉を摂取しないプラントベース食の人は、よく考えてたんぱく質の摂取に取り組む必要がある。 そこで、植物性たんぱく質を摂取するベストな方法って? 植物性たんぱく質のなかでもとくに優れている食品はある? 栄養サプリメーカー「ヌシフィックス」の栄養責任者であるエイミー・リー博士に、プラントベース食を行う際に考慮すべき要素を解説してもらった。
どんな種類のたんぱく質が必要?
たんぱく質は、さまざまな種類のアミノ酸で構成される主要栄養素。人の体が機能するためには特定のアミノ酸が20種類必要だけど、そのうち体内で生成できるのは11種類だけ。そのため、残りの9種類は食事から摂取することになる。「プラントベース食品に含まれるたんぱく質も、動物性食品に含まれる完全たんぱく質を構成するのと同じアミノ酸でできています」とリー博士は話す。 植物性と動物性たんぱく質の違いは、アミノ酸の組成にある。動物性食品(肉、鶏、卵、乳製品など)のたんぱく質は、体に必要な9種類の必須アミノ酸がすべて揃っているため、「完全」たんぱく質と呼ばれる。一部の植物性たんぱく質は完全たんぱく質だけど、植物性のほとんどが1種類以上のアミノ酸が不足している「不完全」たんぱく質だそう。 不完全たんぱく質は、食事内の唯一のたんぱく質になれないだけで、必ずしも悪いものではない。「これらの必須アミノ酸が適切なレベルにないと、臨床症状を引き起こす欠乏症を発症する恐れがあります」とリー博士。