大谷の“番記者”が語る「ドジャース移籍」の狂騒 「予期しない道を選ぶ」大谷ゆえの混乱と納得
驚いたのは、ドジャースと合意する前に、大谷サイドがエンゼルスのところに行って、ドジャースの提示額に合わせるか、もしくはそれを超える額を提示する気があるかを尋ねたことだね。結局、エンゼルスは断ったけど。 個人的には、エンゼルスに残留する可能性は低いと思っていた。でもエンゼルスが大谷サイドの要望に応えていたら、チャンスはあったかもしれない。 色々な面で、大谷という選手は予想しづらいところがあるのは分かっている。だから、ブルージェイズを選んでいたとしても、驚きはなかったと思う。
ドジャースは、大谷にワールドシリーズ優勝を狙うチャンスを「保証」してくれる。ほかにも大谷がドジャースを選ぶべき理由はいくつもあるけど。契約についても納得がいく。両サイドにとって良い内容だと思う。 ■野球以外には関心がない? ディラン 大谷はもっともらうべきだよ。現役中に年200万ドルしか受けとらないのは、低すぎる。お金の価値は時間とともに低下するしね。 文化の違いもあるかもしれない。この国で育ったら、グーグルのような大企業が社会に与える悪影響を目の当たりにする。メディア業界も、そういう大企業にめちゃくちゃにされた。
だから、(アメリカ人選手なら)たとえお金がいらなくても、そういう連中に白紙の小切手を渡すくらいなら、慈善事業にでも寄付しようって気になる。 (ドジャースを所有する投資会社の)グッゲンハイムは、宝くじを当てたみたいな気になったんだろうな。そして、それで得た金を、1週間に一度以上投げたことのない小さな投手(山本由伸)や、健康でいられたことのない投手(タイラー・グラスノー)に無鉄砲につぎ込んだ。 通常なら彼らが絶対にやらないことだけど、自分たちの金じゃないとなった途端に、「とことん使うぞ」ってなった。
サム でも大谷はこの6年間、絶対にこんなふうには補強しない球団にいた。彼は勝利に飢えている。ほかのことはどうでもいいんだと思う。 適切な例かは分からないけど、元首相の安倍晋三が銃撃された時に、大谷にそのことは質問しないように言われたのを覚えている。彼は野球以外で起きていることから自らを遮断しようとしているんだと思う。 ディラン それはそうだね。サッカーのワールドカップで日本代表のキャプテンを務めた吉田麻也が、ロサンゼルス・ギャラクシーに移籍して、エンゼルスの試合で始球式を務めた時、大谷の側を通りすぎても、大谷は見向きもしなかった。