【解説】なぜ?イスラエルとパレスチナ 止まらない暴力の応酬
Q.そもそも「ハマス」って?
A. ハマスは、イスラム的な思想に基づく統治を目指している組織で、「パレスチナの地は自分たちのものだ」と考えています。このため、彼らにとって自分たちの土地を取り返すためにイスラエルと戦うことは「ジハード(聖戦)」だとしているのです。「ジハードで命を落とせば、天国に行ける」という考えから、自爆テロが数多く発生しています。こうした自爆テロなどを繰り返してきたため、欧米はハマスを「テロ組織」と認定しています。
Q.ハマスはなぜ今、攻撃してきた?
A. 攻撃があった7日、イスラエルではユダヤ教の祝日でした。お祭りムードの中、不意打ちにあったかたちです。 実は1973年に起きた第四次中東戦争も、祝日の10月6日に始まっています。 「イスラエルはハマスなどの動向は常に把握していたはずなのに、なぜ奇襲を許したのか」という声も上がっています。
Q.ハマスが攻撃してきた理由は?
A. 今年7月にイスラエル軍がヨルダン川西岸のジェニンにある難民キャンプを攻撃し、民間人を含むパレスチナ人が200人以上、死亡しています。これにハマスは強く反発していました。 もう1つ、イスラエルがサウジアラビアなど、他のアラブ諸国との関係正常化を進めていたことについて、ハマスが「アラブ諸国から見捨てられるのではないか」という焦りを感じていたという見方も出ています。
Q.今後、どうなる?
A. 今回はハマスの攻撃の規模が大きく、イスラエル軍の兵士や民間人も数多く人質にとられているとみられています。今後、これに対してイスラエル軍が大規模な軍事作戦を行う可能性があり、事態がどこまで緊迫化し、長期化するか、見通せない状況です。