実父から「性的虐待」受けた女性、実名・顔出しで活動「子どもたちに手を貸して」
●今回の取材は「弟の命日」の翌日だった
塚原さんには弟もいたが、同じように父親から性的虐待を受けていた。肛門性交や口腔性交をさせられたり、塚原さんが父親から性的虐待を受けている場面を見せられたりもしたという。 塚原さんが弟を逃したこともあったが、児童相談所に保護されて家に戻されてしまうことが繰り返された。そんな弟は結婚したものの、30歳のときに自殺した。 今回の取材は、弟の命日(8月6日)の翌日だった。 「弟が好きな『壱岐』という焼酎と果物を仏壇に供えて、朝まで話していました。そういえば、実家の近所のお墓に、2人で段ボールを抱えて『ここで暮らそう』と言ったことがありました。 そのときに語っていたときの弟の表情を思い出しました。なんとも言えない笑顔だったことを覚えています。結局、家に連れ戻されてしまうんですが、2人で逃げたいとずっと思っていました。 小学校のころの写真と、自殺する数カ月前の写真が残っていますが、仏壇に置いていません。懺悔の気持ちになってしまうので。『わたしのせいもあるかな…』と思ってしまうんです。 夢に出てくることもあります。子どものころの私と弟がいます。父親も昔のまま。その光景を大人の私が見ています。 弟は、父親から洗濯ホースで殴られるんですが、大人の私は何もできないんです。そんな夢でうなされて、ベッドから落ちて目が覚めることもあります」
●「実名・顔出しだからこそ響いた面がある」
あえてメディアに自分の過去を「さらす」ことで、いろいろな人から連絡が来るようになった。 「被害にあっている方からも連絡がきます。まさに現在進行形の人からも。実名を出し、顔を出したからこそ響いた面があるのではないでしょうか。 もちろん、逆に、アンチも多くなりました。取材の内容を信じないのか、『ウソだろ』と言われたり、『あなたも受け入れていたんじゃないのか?』といった声が届きます。 そんなとき、リスカをしたい衝動にかられました。私が死ねばいいの?とも考えました。X(旧ツイッター)にそのことをポストしたら、フォロワーさんに止められましたよ」 塚原さんは現在、政治家とも会って、子どもの性的虐待の実態について話している。大人になってから被害に気づくことも少なくないため、「公訴時効」の撤廃に向けた活動も続けている。