元”練習生”がK-1現役チャンピオンから「人間サンドバッグ扱いされ、顎と鼻の骨を折られた」と警察に被害届 王者は「練習中の事故」と反論
「下から顎を思いっきり蹴られた」と主張するAさん
マススパーリングは実戦形式でやる練習で、通常は相手に怪我をさせないため16オンスの大きいグローブとヘッドギアなどの防具をつけてジム内で行われる。 だが、金子は公園で試合用の薄い8オンスのグローブを用いて、防具なしのAさんに本気で殴りかかってきたとAさんは話すのだ。 「相手が格上なのでこっちはまぐれでしか当たりません。もし当たってしまっても、その数倍殴り返されることは明白だったので、私の方は手を出せず、動く“人間サンドバッグ”になるしかなかった。やるたびに体はボロボロになりました。何度もこの練習は辞めたいと言ったのですが、彼は『だったら本気の実戦やってみるか』などと凄んでくる。仕返しが怖くてやられっぱなしでした」 こうした練習後の顔を自撮りしたのが、先に挙げた「パンパンの顔」だったという。 そして、自主トレが始まって3カ月程が経過した21年10月。Aさんはとうとう大怪我を負った。 「いつものように殴られっぱなしで地面に四つん這いになって倒れた時、下から顎を思いっきり蹴り上げられたのです。あまりの衝撃と激痛でしばらくうずくまりました。ただいつものことだったので金子は平気な顔。『よし、今日の練習は終わり。お前は走ってから帰れ』と言い残して去っていった」
1週間入院、全治1カ月の大怪我を負ったAさん
だが、この時ばかりは顔の腫れは一向にひかなかった。3日経っても激痛が続き夜も寝られない状態で、近所の歯科医から紹介された総合病院で診てもらうと、顎が骨折していた。後に鼻の骨も折れていたことも判明した。 下記は警察にも提出された診断書だ。 〈傷病名 右側下顎角部、左側下顎前歯部骨体部骨折 付記 2021年10月4日にキックボクシングの練習中に、相手の蹴りが顔面に直撃し受傷。10月7日疾痛改善せずかかりつけ歯科受診し、10月8日に当院紹介され初診した。手術を目的に10月11日入院し、12日に全身麻酔下にて両側下顎骨骨折観血的整復固定術を施行した。症状軽快にて10月20日に退院。以後は外来にて経過観察。全治約1カ月を要した〉 1週間入院し、顎をプレートで固定させる手術を受けなければならないほどの大怪我だった。 だが、それを金子に報告しても意に介さない様子で「そのくらいの衝撃はあったろうな」と答えただけだったという。そして退院後も地獄のような「練習」は再開されたと続ける。 「あんなのは練習ではありません。最終的には彼のストレス解消の捌け口にさせられました。金子は容赦無く、プレートの入ったままの顎を殴り蹴り続けた。今もこの通り鼻と耳は潰れ、顔は浮腫んだたままです」