超低い車高がカッコいいのよ!! V12が最高に気持ちいい! スーパーカーブームの火付け役[フェラーリ512BB]
■激重クラッチは左足の筋トレ!?
オリジナルを色濃く残す超希少な個体を所有しているのは、宮城県多賀城市に拠点を置くガレージグレードワン。スーパースポーツカーの販売からカスタム、さらに国産車まで幅広く扱うショップだ。会長の今野仁氏の心意気もありスーパーカー小僧が熱狂した名車のインプレッションレポートをお届けできた。 ドアを開きドライバーズシートに乗り込むと、流れてきた時間の長さを感じさせる。ブラックレザーのシートは、若干経年劣化はあるものの状態は悪くない。 シートバックの左右はせり上がったバケット形状のデザインだが、ホールド性はともかくドライバーの体格を選ばないのは512がグランツーリスモだということだろう。 ドライビングポジションを合わせ、イグニッションキーを回した。キャブ仕様のクルマの始動性は個体差がある。1回アクセルを踏み燃料をキャブに吸入してセルを回さないと始動しないエンジンもあったりする。そんなことを考えながらセルを回すと、すぐに12気筒エンジンが鼓動を始めた。 512シリーズは、ガラス面が大きくAピラーが細いこともあり車体の見切りがいい。ルームミラーの後方視認性もいいから初めて乗る個体でも不安感がない。 水温油温が温まっていることを補助メーターで確認してクラッチペダルを踏みシフトレバーを1速に入れた。フェラーリにはシフトゲートがあってギアの間隔がわかりやすいからシフトミスの心配はない。2~3回ブリッピングしてクラッチをリリースすると素直に動き出した。 一般道では尖った部分はなく平常心でドライブできる。ただし、一つネガティブな部分は、クラッチペダルがとにかく重い。公道には信号や一時停止があるので常にクラッチ操作が必要だ。 後期モデルではだいぶ改善されているけど、前期のツインプレートクラッチは左足のトレーニングと言ってもいい。スーパーカーオーナーが年齢を重ねていくと古いマニュアル車に乗りたくなくなる理由がここにある。