柔道女子57キロ級決勝の判定をめぐっても議論が起こっている(C)Getty Images

　熱戦が続く五輪の舞台で柔道をめぐって、審判団の判断に連日、話題が集まっている。 　日本選手団は競技3日間が終わり、5個のメダルを獲得しているが、27日の試合では永山竜樹が「待て」の後に締め落とされ、一本負けして物議を呼んだ。 　 　29日の試合では柔道女子57キロ級決勝の内容が注目された。同試合は出口クリスタ（カナダ）と許海実（韓国）が戦い、延長の末に出口が許を下した。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン？ パリ五輪選手村の全容をチェック 　延長に入る熱戦はともに指導を受け、最後は許が指導「3」となり、出口の反則勝ちで金メダルが決定した。 　試合後、許は納得のいかない様子を見せ、韓国選手団も抗議の姿勢を見せたが、韓国の新聞『中央日報オンライン』も当事者の意見を詳しくリポートしている。 　試合内容において、ともに指導2つを受けた上で延長戦に突入、「指導3つ」となれば反則負けとなるぎりぎりのせめぎ合いが続く中、審判団は攻撃を積極的に仕掛けていた許に対し、「偽装攻撃」の判定を行い、指導を与えた。 　最後の判定は審判ではなく審判席の委員長の指示で下されたと記されている。 　記事の中では女子代表チームのキム・ミジョン監督の「出口は動きがなく、許海実は何度も攻撃を試みた」「相手に有利なところがあったとみられる」と悔しさをにじませたコメントを掲載。さらに韓国柔道選手団側の「許海実が攻撃を主導していたのにむしろ指導を受け、納得しがたいところが明確にある」との言葉も紹介されている。 　 　今大会の柔道競技をめぐっては日本勢にも不利な判定が相次いで注目されている。今回の決勝戦の内容も今後、波紋を拡げそうだ。 ［文／構成：ココカラネクスト編集部］