T.M.Revolution 西川貴教が語る“愛車の履歴書” 運転免許取得の意外なエピソードとは?
教習所通いのきっかけ
そして時は流れて、ミュージシャンとして大成功を収めた西川さんは、30歳にして教習所に通う。 「1990年代の後半にヤマハ『ジョグ』という原付きのCMのお話をいただいて、そのときに慌てて原付きの免許を取得した記憶があって、クルマも取っておいたほうがいいかなぁ、と思ったんですね。ちょうどこの頃から舞台やドラマの仕事が多くなって、そういった仕事にも必要になるかもしれないからと、教習所に通うようになりました」 冒頭にも記したように、30歳の西川さんといえば超が付くほどのスーパースター。教習所通いは大変だったのではないかと推察する。 「日の丸自動車学校(東京・目黒区)に通いました。ただ、大騒ぎになるようなことはなく、東京の子どもってクールだなと思いました。僕の顔を見て一瞬ハッとした表情になるんだけれど、すぐに平静に戻るというか。僕も少し気を使って、学科の教習では教室に全員が入ったのを確認してから一番前の席に座る、みたいなことをしていましたね(笑)」 晴れて運転免許証を取得した西川さんは、オフの過ごし方が少し変わったという。 「免許を取る前は、東京には山手線も東横線もあるからクルマなんていらないだろう、と、思っていたんです。でも運転をするようになって、たとえば夜遅くなってからクルマで横浜に行って中華を食べるとか、そのまま茅ヶ崎まで行って海を見て帰ってくるとか、ドライブを楽しむようになりました。思い返すと、特に横浜にはよく行きましたね。30分か40分で行けるのに都会の喧騒を忘れることができるし、異国情緒も感じられます。横浜出身の友人に中華街の楽しみ方を教えてもらったり、あの頃はよく横浜に行きました」 前編では、思い出のクルマと運転免許取得までを語っていただいた。後編となる次回は、西川貴教さんがいま興味を持っているクルマを紹介する。
【プロフィール】西川貴教(にしかわたかのり)
1970年9月19日生まれ。滋賀県出身。1996年5月、ソロプロジェクト”T.M.Revolution”として「独裁-monopolize-」でデビュー。2018年からは西川貴教名義での音楽活動を本格的に開始する。ほかにも俳優、声優、番組MCなど多岐にわたり活躍中。2008年には、滋賀県から「滋賀ふるさと観光大使」に任命。2009年より大型野外音楽イベント「イナズマロック フェス」を主催。令和二(2020)年度滋賀県文化功労賞受賞。 文・サトータケシ 写真・安井宏充(Weekend.) ヘア&メイク・浅沼薫(Deep-End) 編集・稲垣邦康(GQ)