2024年のAmazonプライムデー、過去最高売上高を記録する見通し。物価高や中国勢の影響は?
効果が薄れつつあるプライムデー
ピュブリシス・グループ(Publicis Groupe)で最高商業戦略責任者を務めるジェイソン・ゴールドバーグ氏によると、プライムデーが誕生して以降、Amazonは年間を通してセールイベントをほかにも開催するようになっており、プライムデーの輝きはいくらか弱まってきているという。たとえば、2022年10月には、プライムデーのような第2のセールイベントが行われた。同じ年にこうしたイベントが2つも行われるのは、はじめてのことだった。そして昨年の秋にも、年末商戦に先駆けてこのパターンは繰り返された。 「バーゲンハンティングの仕方を消費者に教えるという意味では、Amazonはいい仕事をしてきた。しかし、Amazonのエコシステム全体のなかでは、プライムデーの効果は弱まりつつある」と、ゴールドバーグ氏は語る。 事実、アンディ・ジャシー氏がCEOに就任して以来、Amazonはコスト削減に力を入れる一方で、クラウドコンピューティングや広告といった、利益率の高い自社事業への投資にも力を入れてきた。より正確な広告のターゲティングと測定を求めているマーケターに向けて、Amazonは自社(とそのファーストパーティ顧客データ)を頼りになるプロバイダーとしてアピールしている。年商470億ドル(約7兆5900億円)を誇る同社の広告部門がプライムデーで勢いづいても、何の不思議もない。 ゴールドバーグ氏はこう述べている。「すべてがお互いの糧となっているということだ」。 [原文:Inflation-battered shoppers are expected to drive another sales record for Amazon’s Prime Day] Allison Smith(翻訳:ガリレオ、編集:戸田美子)
編集部