「建築家探しは婚活に似てる!?」モデル矢野未希子、建築家と運命の出会い
“運命の建築家”、KEIJI ASHIZAWA DESIGN芦沢啓治さん
建築家の芦沢啓治さんもまた、ホームページの設計事例に惹かれて、面会のアポイントを自分で取った方の一人でした。2023年のTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARKの設計などで名を馳せる芦沢さんですが、ご相談した当時、建築家探し初心者の私にとっては初めて目にするお名前。木や石をモダンに用いた建築が素敵、へえ、家具も手がけているんだ……と興味を持ちました。 ウェブサイトのアポイントページに、自己紹介と「こんな家をつくりたい」という内容を書いたメールを送り、待つこと1週間ほど。お返事のメールが好印象だったのを覚えています。温かい文章を書く人だな。なんだかいい感じ。初対面は、小石川にある芦沢さんの個人設計事務所でした。「どうも!」と声をかけてくれた芦沢さんは、とても気さくで話しやすそう、という第一印象。 建築家さんとの初対面では、いつも私は、30枚ほどの「好きな家、気になる建築」のイメージ写真を持っていきました。芦沢さんにもそれを見せると、「ああ、この建築は◯◯でしょう?」「僕もこれ好き! この家具もいいよね」そんな反応が返ってきました。 私の「好き」を「なるほどね」と聞くのではなくて、一緒になって「好き!」と言ってくれる人なんだ。具体的なところを挙げて言葉にしてくれるので、嬉しい気持ちが湧いてきました。 そんなわけで、芦沢さんとの初対面はとても好印象に終わりました。
「一緒にごはんを食べられる人と家づくりをしたい」の言葉にズキュン!
“ジャッジは3回のデートで”のルールを重ねて慎重だった私ですが、実は、初回に「この人と一緒に家づくりをしたい!」と心に決めた芦沢さんの一言がありました。今でも大切に私の胸に刻まれています。 設計事例やデザインした家具を見ながらの会話が弾む中で、芦沢さんが言いました。 「僕は普段、住宅の設計依頼はそんなに何軒も受けていないんです」 「どうしてですか?」 「個人住宅は施主がこめる思いの熱量が高いから、家を建てた後もずっと関わってゆく存在になるんです。だから、相性がとても大切になる。僕は、ごはんを一緒に食べたいな、と思う人と一緒に家づくりをしたいんだよね」 この一言で、私の胸は打ち抜かれました。一つ一つ丁寧にお仕事をされているのがとても伝わってきたし、こういう言葉の選び方をしてくれる方と一緒に家づくりがしたい。 すっかり魅了されてしまいましたが、待て、待て、私(笑)。まだ初対面。しっかり話して関係を深めていかないと。 というわけで「2回目のデート」の土地の下見に行ったのですが、ここでも芦沢さんは嬉しいリアクションをしてくれました。夫と芦沢さんの関係もとてもよく、今では夫の会社の社長室まで芦沢さんに見ていただく仲に。ふたりの相性もばっちりだとわかりました。その後、もちろん食事もご一緒に。 芦沢さんは、ある意味、私の今までの建築家のイメージから一番かけ離れた人と言えるかも。それまでは、家づくりの中で建築家さんと衝突したり、嫌な空気感になったらどうしよう、と漠然と不安になることがあったけれど、この方とならきっと大丈夫、そう思えました。「一緒にごはんを食べられる関係性」って、私がずっと求めていたことでもあったように思います。 3回目の対面を終えて、たくさん考えて芦沢さんの事務所に「ぜひ、お願いします」と伝えにいきました。こうして私たちの約半年にわたる建築家探しはようやく完結。さあ、いよいよ住まいの設計がスタートします! text:azumi kubota
矢野 未希子