その病院では「フシギな治療」が行われていた…“人外”を治療する医者を描いた漫画に「不思議な世界観がとてもたのしい」の声【作者インタビュー】
コミックの映像化や、小説のコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、COMICポラリスで連載中の岩飛猫さんが描く『片白の医端者』をピックアップ。 【漫画】不調を感じた少女が向かった病院には“人でなし”が集う…不思議な治療の様子を描いた漫画に「良いのに出会えた」「面白かった」の声 岩飛猫さんが2024年12月1日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、6.7万件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、岩飛猫さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。 ■“人ならざるモノ”を治療する病院 胸に圧迫感を感じるとして、一人の女性がある病院を訪れる。そこは古臭く、黴臭く、なんだか違和感のある病院で、端正な顔の医者の左目は白かった。 すると突然、診察中に一人の男性が急患だと言いながら入ってくる。診察中であるにもかかわらず、医者に手伝ってほしいと言われる女性。月の模型を取り出した医者に戸惑っていると、先ほどの男性がいきなり襲い掛かってくる。 医者の助手と一緒に男性を押さえつけていると、その男性の顔が狼になっていることに気づく。人間の娘とデートするため鎮静剤が欲しいという男性に、ありのままで楽しませる努力をしろと言う医者。落ち着いた男性にお守りとして鎮静剤を渡した医者は、ようやく女性の診察をすることに。 おもむろにメスを取り出す医者に慌てる女性だったが、首の後ろにメスを入れられるとそこから大勢の妖精が飛び出してくる。胸の圧迫感の正体は無数の妖精だった…。 作品を読んだ読者からは、「不思議な世界観がとてもたのしい」「読ませる展開と構成のうまさ」など、反響の声が多く寄せられている。 ■作者・岩飛猫さん「『人間と人外に距離がある世界観』の物語」 ――『片白の医端者』は、どのようにして生まれた作品ですか?きっかけや理由などをお教えください。 最初に挑戦的なモノを描いてみたいと思い、それまで「人間と人外の距離が近い世界観」の作品を多く描いてきたので、その逆、「人間と人外に距離がある世界観」の物語として描きました。 ――今作を描くうえで、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。 ホラー漫画にならないようバランスはとっていますが、怪異の恐ろしさ気味悪さ奇怪さは失わないように、というのは心がけています。 ――今回の作品のなかで、特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。 人狼が人から狼の姿に変化するところや、女の子から妖精が出てくるところなどでしょうか。 個人的なこだわりですが、怪物から人の姿に変身してしまうことをポジティブに描く作品が多いので、その逆、人の姿から本来の怪物の姿に変身することをポジティブに描くようにはしたかったんです。 『片白の医端者』にとって「怪物」は誰もが心の中に飼っている向き合うべきもので「人の姿」は自分を偽るというテーマもあったりします。 ――普段漫画を描かれる際、ストーリーやキャラクターなど、どういったところから着想を得られることが多いですか? キャラクターはわりと思いつきが多いんですけど世界観は映像作品やアートブックなどを見て着想を得ることが多いように思います。 描きたいと思う瞬間は突然の閃きなのでなかなか意識的にそれを得るのは難しいですね。 ――岩飛猫さんご自身や作品について、今後の展望・目標をお教えください。 色んな異種間モノを引き続き描いていきたいと考えていますが、スケールの大きいファンタジーものも描いてみたいですし、異種間恋愛短編集みたいなものも描いてみたいですね。 ――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へ、メッセージをお願いします。 ホラーなんだかギャグなんだかほのぼのなんだかハッキリしない作品ですが、ハッキリしないことをむしろ楽しんでほしいですね。 応援よろしくお願いします。