関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文1)工事を発注させ、利益得る構造を維持
ユーザー目線でコンプライアンス意識醸成を
で、当委員会としては幾つかの提言をしておりますけれども、1つはユーザー目線でのコンプライアンス意識の醸成を全社で図ってくださいということです。それから内向きの企業体質を改めて、外の風を取締役会等のガバナンスの中に生かしてください。そういう意味で取締役会長には社外の人を選任すべきであるという提言をいたしております。 ただ、執行との独立性を確保してガバナンスがコンプライアンスを中心に、特に原子力事業本部に対してのガバナンスをしてもらいたいということから、代表権はむしろ保有しないほうがいいというふうに思っております。それから地元を重視する施策の透明性の向上が必要であると。ぜひ地方自治体であるとか、漁業組合であるとか、住民大会であるとか、そういうところで透明性を持って数十年後のまちづくりということをイメージしながら地元対策というものをやってくれ。もう少し言いますと、例えば福井大学と一緒になって原発の安全性についての研究をすると。その研究をするのに手を挙げた地元の子たちに奨学金を出すとか、そういう何十年先のまちづくりというのを考えながら、ぜひ地元対策をやってもらいたい。 それから取引先関係者からの物品の受領については厳しいルールを敷くべきであると。当面、取引関係者からの受領は拒否すべきであるというふうに提言しております。で、当たり前のことでありますが、あしき情報が早く伝わって、現場に直接メスが入るためのガバナンス体制の再構築が必要であるということであります。
必ずコンプライアンスを取れ
時間がありませんのであと5分だけ。皆さんの持っている厚いほうですね。厚いほうの一番最後に、結語に代えてという言葉がありまして、それはこういうことであります。私たちは電気にものすごく依存して生きているんだと。で、発電と送配電と電力供給をやっている関西電力というのは本当に公共性が高い企業なんだと。だからそのガバナンスあるいはコンプライアンスというものは、それにふさわしい高いものじゃなきゃいけない。少なくとも電力を使って電力料金を払っているユーザーの期待に反するようなコンプライアンス、ガバナンスは駄目だということと、それから、これからを担う人たちへの気持ちとしては、そういうユーザー目線でのコンプライアンスをぜひ自分でつくってくれと。自分が今やっている行動は正しいだろうか、どうかっていうのをユーザー目線で考えて自律、自分で律するという、そういう精神構造を持ってもらいたい。 それからコンプライアンスの問題と、例えばさっき言った原発が停止になるんじゃないかと、業務の問題がぶつかることはあるかもしれないけれども、現在の、もう世界の企業っていうのは全然変わっていて、投資をするかしないかっていう基準の1つはコンプライアンスであります。関西電力ほどの大企業で、コンプライアンスを選択しないで永続性を求めることはまったくできない、そういう時代に入っている。だから、コンプライアンスと現実の、今の目の前の業務がぶつかった場合は必ずコンプライアンスを取りなさいと。それが会社の永続性を保持する道ですということであります。 3つ目のお願いはコンプライアンスに反する行為に誘惑されたり、あるいは現実にコンプライアンスに反する行為をさせられたりした場合、そのときは遅滞なくその事実をみんなに伝えなさいと。1人で抱え込むっていうのがいけないっていうのが本件の非常に大きな教訓である。で、それを共通のものにしてほしいと。で、その共通の情報を生かす道というのがガバナンスであり、取締役会であり、部長とか、つまりそういう役職の人のやるべきことだと。その情報を自分のものとして、それでガバナンスとして対応することが必要なんではないかと。 【書き起こし】関電の金品受領問題 第三者委が会見 全文2へ続く