関電の金品受領問題 第三者委が会見(全文1)工事を発注させ、利益得る構造を維持
山林の売買契約で実質的に補償
そこに書いてございますように、原発を巡るありとあらゆる地域との問題について関与しております。例えば原子力関係者の交通事故であるとか、作業中の圧死事故であるとか、あるいは問題企業の工事参入の申し入れであるとか、あるいは定期点検中の原子力発電所の運転再開を早期にするようにしたとか、あらゆる問題を増設、あるいは原発の運営に有利なように解決したということで、この森山氏というのはすごいという評価がなされたわけであります。 1つ事例を取りますと、ある木材を貯蔵する業をしている会社がございまして、これがフナクイムシでだいぶ損害を受けました。そのフナクイムシの補償を関西電力に要求したわけですが、関西電力はすでに温排水の補償は終わっていると。もうこれ以上はこの問題でお金を出すのは無理だということで拒絶をしました。それに対してその会社は町に対して、関西電力を指導してくれというようなことでさらに要求を重ね、それについて森山氏が中に入りまして、結局、本来は補償費であったんですが、それをだいたい6億5000万ぐらいの山林を11億ということで、結局売買契約という形で実際は、実質的には補償をしてやるというようなこともやっております。 これは確かに巧妙な方法ではあるんですが、どうしてそういう価格の変転が可能であったか、あるいは当時の国土計画法の関係で、どういうふうに県の了解を取ったのかとか、その辺については極めて不透明であります。で、この不透明ということが非常に大きな問題として、長い間の問題の発端になりました。
森山氏がありとあらゆる面で活躍
といいますのは、今まで申しましたように森山氏がありとあらゆる面で活躍をして、3号機、4号機の増設に尽力するわけですが、それは表の部分もあれば裏の部分もある。当時、3号機、4号機の増設に非常に前向きであった当時の芦原・内藤ラインはこんなに頼もしい男はいないということになったかと思います。もちろんこれらの解決にはお金が流れるわけで、その辺りについては結局のところ、もうご両者とも亡くなられまして、分かりません。分かりませんが、その後の経営のトップを歴任した人たちはそういうことがあったのではないかなという、つまり否定はしないということでありまして、ある人は地域対策には領収書のない金も使われたというようなことを言っています。 結局よく分からないんですけれども、陰の部分があった。で、森山氏は、まず内藤氏が87年の2月26日に解任されます。その3カ月後には森山氏は助役を退任します。そして彼はその1カ月後には、先ほど申しましたように金品の贈与ということを始めたというような状態でございました。 そうすると、結局彼は、3号機、4号機に非常に大きな貢献をしたと同時に、陰の部分にも関与していた。それらの【ヒ**チョウを握っていると 00:17:47】、彼は退任後も、しばしば関電の役職員に、俺は3号機、4号機の建設に非常に貢献したんだと。しかも、芦原・内藤、両者とのコミュニケーションも盛んだったし、それが出した書簡も持っているというようなことで、お役所職員に俺を怒らしたら大変だぞと、ということをずっと話していたというような状況であります。そして彼は、つまり貢献者であり、闇の部分も知っているということで、言ってみれば一つのモンスターみたいな存在になってしまった。これがこれからの事件の発端ということになろうかと思います。 ページを戻らしていただきまして、14ページに森山氏による金品提供の意図・目的というのがございます。実は内部調査ではこれは、権威の誇示だとか、礼儀の実践だとか、そういうような評価になっていたんでありますが、当委員会が調査いたしました結果、特にデジタルフォレンジックの中に非常に生々しい工事要求がございまして、そこに書かれておりますように、森山氏が社会的儀礼の範囲をはるかに超える多額の金品を提供したのは、その見返りとして関西電力の役職員に自らの要求に応じて、自分の関係する企業へ工事等の発注を行わせ、そのことによってこれらの企業から経済的利益を得るという構造、仕組みを維持することが主たる目的であったというふうに当委員会では判断いたしました。