登山歴30年以上市毛良枝が伝授!「初めての紅葉の山歩き」5つのポイント 初心者おすすめ茨城・筑波山の歩き方も
色とりどりの紅葉を楽しめて気候も快適な秋は、山歩きデビューにぴったりの季節。登山経験豊富な俳優・市毛良枝さん(74才)が、山の魅力や初心者の心得を指南する。 【写真】登山ファッションに身を包む市毛良枝さん
辛さを忘れるほどの自然を味わえるのが魅力
市毛さんの山デビューは40才のとき。北アルプスの燕岳から常念岳を2泊3日かけて歩いた。 「初心者にはきついルートなので驚かれますが、登るごとに目の前に違う景色が現れ、その瞬間に辛さを忘れてしまうほど。運動音痴で体力もないと思っていたのに、『バランスがいいね』と褒められたのもうれしくて、すっかり山にハマりました。自然を味わいながらじっくり登ると、豊かな気持ちになります」(市毛さん・以下同)
市毛良枝さんの初めての山歩き5つのポイント
「初心者向き」と言われている山でも油断は禁物! 安全の基本や最低限のルールなど、山歩きをはじめる前に知っておくべきことを聞いた。 ◆【1】経験者と一緒に行く 「安全のためはもちろんですが、歩く速さなどのポイントや景色の見所を経験者に教えてもらうと、山歩きがグンと楽しくなります。私が山に目覚めたのも、初めて山に連れて行ってくれた人が楽しさを教えてくれたおかげです。周りに経験者がいない場合は、プロのガイドさんを頼むという方法も」 ◆【2】疲れを感じる前に休憩をとる 「疲れを感じていなくても、例えば1時間に5分程度の休憩を。腰を下ろしてしっかり休んでしまうと、山歩きに慣れてきた体がリセットされて再度歩き出す時にかえって疲れてしまうので、何かにもたれかかるなど立ったまま休むといいですよ」 ◆【3】お腹が空く前に糖分や水分を補給する 「山ではお腹が空いてエネルギー不足になることを“シャリバテ”と言います。私も登山をはじめた頃、お腹が空きすぎて歩けなくなってしまい、大福を食べたら元気になったという経験があります。 水と、手軽に食べられてエネルギーに変わりやすいチョコレートや飴などを行動食として持っていき、空腹を感じる前に少しずつ食べましょう。糖分と水分の補給はとても大切です」 ◆【4】服は化繊を。雨具とヘッドランプはマスト 「『初心者向けの低山だから』とジーンズで登る人がいますが、ジーンズは汗や雨で濡れると締まって脚が動かしにくくなるので要注意。歩くと汗をかくため、登山専用の服がなければジャージでもいいので速乾性のある化繊の服を。 汗は体を冷やすので、替えのシャツもあるとベストです。また、山は天候が変わりやすいので雨具も必須。昼に下山予定でも、道に迷ってしまうなどの危険に備えてヘッドランプも持っていきましょう」 ◆【5】低山こそルートから外れないよう気をつける 「低山なら安全だと思っている人が多いのですが、侮ってはいけません! 低山は登山道が整っておらずルートが多いため、標識を見落としたり、登山道と間違えて獣道を進んでしまったりすると戻れなくなることも。六甲山に散歩に行った人が、20日以上も帰れなかったということもあったんですよ。公式のガイドブックや地図で下調べをしておくなど、ルートから外れないように気をつけましょう」