まだ日本に入ってこない貴重な「EX30」のツインモーターに試乗!ボルボ史上最速性能を誇るEV
期待以上にいい出来
10月にサブスクリプションの受付を始め、まもなく11月中旬からは通常の販売も開始予定のボルボのBEV(バッテリー電気自動車)の「EX30」。日本はシングルモーターの「エクステンデッドレンジ」から導入が始まる。しかし実はEX30にはAWDモデルも用意されている。AWDモデルはどんなクルマで、どう仕上がっているのか、バルセロナで試乗したレポートをお届けする。 [写真で見る]ボディの大きさ的に最大のライバル!? ヒョンデ「コナ」 日本では使い勝手のいいサブスクリプションで評判がよい、ボルボの新型BEV「EX30」。日本を含む世界でのデリバリーの前に、バルセロナで試乗会が開かれた。はたして、期待以上にいい出来だった。 2030年までにグローバルで販売する新車をすべてBEVにすると宣言したボルボだけに、BEVとして専用設計されて、初めて市場に投入されるEX30の出来が気になっていた。 EX30が発表されたのは、2023年6月のミラノだった。私も世界各地から発表会に参加したジャーナリストのひとりで、そのとき、全長4,235mmと大胆なほどコンパクトな全長に、まず驚かされたものだ。 発表されたラインナップは、既報のとおり、3つのモデルで構成される。 もっともベーシックなモデルは、リン酸鉄リチウムのLFPバッテリー搭載のシングルモーター「スタンダードレンジ」。最大限の航続距離を必要としない都市生活者をターゲットにしている。 その上には、シングルモーター「エクステンデッドレンジ」。リチウム、ニッケル、マンガン、コバルトによるNMCバッテリーを使用し、スタンダードレンジが走行距離344km(WLTP)なのに対して480kmとされる。 もっともスポーティなのは、前後に1基ずつモーターを搭載したツインモーター「パフォーマンス」だ。唯一の全輪駆動で、静止から時速100km/hまでを3.6秒で加速する性能を有している。 これまでのボルボ車において最速の加速だそうだ。 3.6秒といえば、ポルシェ911カレラSの3.7秒を上回る。そこがダッシュ力にすぐれる電気自動車の強みであり、最高速度となると、時速180km/hでリミッターがかかってしまう。カレラSは308km/hだって。 私はEX30シリーズにおいて最も気に入っているのは、使い方に応じた選択肢が用意されているところだ。2種類の駆動方式と2種類のバッテリー。価格ももちろん違う。BEVも洗練されてきたなあという感ひとしお。