名和晃平の作品に囲まれ「治癒力」を高める。アートフルな総合ウェルネスクラブが岡山にオープン
岡山市中心部に2022年にできた注目の複合施設「杜の街グレース」内に開設
瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流が行われ、2024年には新たな芸術祭「森の芸術祭 晴れの国・岡山」が県北で始まるなど、大規模なアートプロジェクトが増えている岡山県。その中心地の岡山市に、現代美術家・名和晃平の作品16点を展示する総合ウェルネスクラブ「RR Conditioning & SPA」が11月23日にオープンした。天然温泉のスパやサウナ、エクササイズを楽しみつつ、世界的アーティストの世界観に浸れるラグジュアリーな空間だ。 「RR Conditioning & SPA」は、両備ホールディングズ(本社・岡山市)が岡山市北区の再開発事業で整備を進めている複合商業施設「杜の街グレース」に開設した。地下1500mから汲み上げた温泉があるスパ&サウナ、ジム、リラクゼーションスパース、ゴルフラウンジなどを備えた会員制施設で、個室サウナなど一部エリアは会員でなくても利用できる。館内デザインに当たり、施設のコンセプト「免疫力・治癒力を高め、10年先も健康な心と体をつくる」にふさわしい作家として名和に白羽の矢を立て、館内のアートはすべて彼の絵画、彫刻、写真作品で統一した。 ロビーでは、インク顔料を使い重力の存在を可視化したペインティング《Direction》が来館者を迎える。くつろぎの場であるリラクゼーションスペースには、表面の凹凸が白一色の画面に揺らぎを与える「Cell-Gravity」シリーズを設置。上層階のロビーには名和が今年パリ・セーヌ川に浮かぶセガン島に設置した彫刻《Ether》の小型バージョンが置かれ、会員制ラウンジでは移動中の新幹線の車窓から風景を撮影した「Moment Photography」の連作などが展示されている。近作・新作ぞろいなので、様々な挑戦を続ける作家のいまを感じ取ることもできそうだ。 杜の街グレースでは、昨年9月にオープンしたパブリックアートラウンジ「Le Metté Adeline ( ルメテ アデリン)」にも注目したい。フランス出身のギャラリスト、ルメテ・アデリンが代表を務めるこちらは、名和が主宰するSandwichがデザインとアートディレクションを担当し、瀬戸内海エリアなどで活躍する若手の発掘と作品展示により地元の文化育成への貢献を目指す。大原美術館や岡山県立美術館、竹久夢二の絵画を多数所蔵する夢二郷土美術館など、近隣や市内に著名館が目白押しの岡山市。訪れたときは、杜の街グレースにも立ち寄ってはいかかだろうか。 (5枚の記事内画像はTokyo Art Beatにて掲載中) RR Conditioning & SPA 住所:岡山市北区下石井2-10-8 杜の街プラザ3階 電話:086-234-1110 営業:平日10時~22時、土日祝10時~21時 定休:火曜日、年次点検日、年末年始等 HP:https://rr-con-spa.com/ Le Metté Adeline 住所:岡山市北区下石井2-10-8 杜の街プラザ 2階 電話:080-8438-0303 営業:11時~18時 定休:不定休 HP:https://www.lemetteadeline.com/
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