約2億円をかけた事業が始動 ダムで大繁殖している特定外来生物"ウオーターレタス”「ウキクサ」の除去作業が始まる
宮崎放送
ダムを埋め尽くす特定外来生物の植物についてです。 宮崎県小林市の岩瀬ダムで大繁殖しているウキクサの除去作業が始まりました。 (垣内沙耶記者) 「岩瀬ダムの上空に到着しました。鮮やかな黄緑色が上空からでも際立って見えています」 ダムの水面を覆いつくす緑。 そのほとんどはウオーターレタスとも呼ばれる特定外来生物の「ボタンウキクサ」です。 (垣内沙耶記者) 「根の長さ80センチぐらいあるんじゃないでしょうか?横幅も30センチぐらいはありそうです」 ウキクサが大繁殖しているのは、県が管理する小林市の岩瀬ダム。 去年春ごろに除去作業を行って、一度は1ヘクタールまで減らしましたが、再び驚異的なペースで繁殖し、先月時点でおよそ80ヘクタールにまで拡大しました。 このウキクサ、枯れると腐敗して水質を悪化させるほか、水面を覆いつくしてしまうことで水中の光や酸素の不足につながり、生態系への影響も懸念されています。 こうしたなか、8日はある動きが… (垣内沙耶記者) 「小林市の岩瀬ダムで大繁殖しているウキクサの除去がいよいよ始まります。これから、ウキクサを回収するための船がクレーンでダムに降ろされます」 8日、ダムに搬入されたのは、ウキクサを回収する専用の船。 この回収船とともに流木を回収するための船も稼働しながら除去作業を進めます。 (都城土木事務所 鏡園義幸課長) 「この中には流木とウキクサが混在している状況なので、まずは流木を除去し、それと並行する形でウキクサも除去していくという流れになる」 このウキクサの除去にかかる経費はおよそ2億1600万円。 ウキクサは根絶は難しいとされ、専門家は、人や野生生物、産業に影響を及ぼさない程度に、低い密度でコントロールしていくことが重要だとしています。 大繁殖した「やっかいもの」を取り除けるか。本格的な作業は9日から始まります。 (都城土木事務所 鏡園義幸課長) 「現在寒くなり、夏場緑色だったウキクサが黄色く変色している。この寒い時期は繁殖がとどまっているという状況ですので、暖かくなる春先までには除去を終わらせることを目標に取り組んでいきたいと考えている」 県は今後、特に夏場の巡視頻度を増やすほか、近隣の農林振興局やなどと連携して情報収集を行い、ウキクサの早期発見・早期回収にも努めたいとしています。
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